24歳の暑い夜。2019年のあの日、私は「香港」に恋をした

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「ビクトリア・ハーバー」に着いたときには、対岸に見える香港島にも、たくさんの灯りがついていた。数時間前までいた香港島が、どこか遠くの場所に感じた。あの時、あの場所には、強い思いを持って集まった人たちが、確かにいたのだ。

ベンチに座りながら夜景を見ていると、いつの間にか夜の匂いも濃くなっていた。

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ホテルまでの帰り道で立ち寄ったマクドナルドには、デモの帰りらしき黒い服を着た人がたくさんいた。

部屋に着くなり、買っていたビールを一通り飲みながら壁にかけられていたテレビをつける。するとそこには、リアルタイムでデモの様子が映し出されていた。

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数時間前まで自分がいた場所の「いま」がそこにあった。遠いようで近い感覚。懐かしさが遠のくような。ビールのようにかすかに苦い気持ちを噛み締めながら、香港の最後の夜に身をゆだねた。

香港に夜を残したまま、朝を迎えた

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香港の朝は早い。日本に帰らなければいけない(仕事をしなくてはいけない)というプレッシャーを感じながら、若干のアルコールを体内に残して、行きと同じ「Uber taxi」を呼ぶ。

ホテルのチェックアウトを済ませたあとは、タクシーとの待ち合わせ場所であるアダルトショップ前へ向かう。日本とあまり変わらない秘密のラインアップを窓越しに眺めつつ車に乗り込み、空港へと出発した。

こんなにあっさりと帰国を迎えることに、私は少しの抵抗があった。前日のお酒が残っているせいなのか、タクシーのなかでずっとぼんやりとしていた。

空港に到着してから出発まで撮りためた写真を見返したが、想像よりも撮った写真が少ないことに気づく。


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少しでも、あの時に確かに私が見て感じた、香港の余韻にひたっておきたかったのだ。

初めての場所でこんなに後ろ髪を引かれることは経験したことがない。好きな漫画の最終巻を読んだときのように、「ずっとのこまま」が続いてほしいと願った。楽しかったことが終わる瞬間ほど、いやなことはない。

そうして、たった2泊3日しか過ごしていない「香港」という場所は、わたしにとって忘れられない街となった。ムシムシとした朝も、雑多な街並みも、居心地の悪いホテルも、どれももっとほしいと思ってしまう。

そう思うのは、きっとあの香港にはもう会えないからだろう。

特別にしたいと思っていた誕生日は、いつの間にか終わっていた。誕生日だからといって、なにも特別なことはしなかった。

ただ街を歩いて、お酒を飲んで、ご飯を食べて、そこにいた人々の様子をみる。どの世界でもあるような「日常」は、時間とともに過ぎ去っていく。

わたしが恋した「香港」。あなたは、いまどうしていますか。

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