メジャーリーグよりも野球を楽しめる?マイナーリーグ観戦のススメ

Array
2019/07/04

「マイナーリーグ」をおすすめする3つの理由

image by:角谷剛

マイナーリーグ観戦をおすすめする理由の1番は「入場チケットが安くて入手しやすいこと」です。かつてベースボールは「ナショナル・パスタイム」と呼ばれていました。

ですが近年メジャーリーグの球場が軒並み値上げをした結果、もはやメジャーリーグ観戦は家族連れに向いた娯楽とはいえなくなっています。

アメリカの個人向け金融サイトの「GO Banking Rates」によると、有名なヤンキー・スタジアムに平均的な2人連れで観戦した場合の費用を140.74ドル(約15,000円)と試算しています。それでも充分高いですが、これは恐らく最安値に近いチケットを買った例のようです。少しでも良い席をと思ったら、これ以上の値段になることは言うまでもありません。

San Manuel Stadium(カリフォルニア州)image by:角谷剛

その点、マイナーリーグの入場チケットは高くても20ドルぐらいでしょう。5ドル、7ドルといった値段も珍しくありません。しかも大抵の場合は大まかに内野席と外野席が分かれているぐらいで、どこでも好きなところに座ることができます

値段が安いことに加えて、チケットの確保も簡単です。メジャーのスター選手が調整のために出場するなど、よほどのことがない限りはマイナーリーグの試合が満員になることはありません。

San Manuel Stadium (カリフォルニア州)image by:角谷剛

マイナーリーグ観戦をおすすめする第2の理由は「野球そのものを楽しめること」です。マイナー球場は最大収容人数がせいぜい1万人ぐらいのところが多く、観客席から選手達への距離もぐっと近くなります。

メジャー球場でよくあるように、遠い席から選手がはっきり見えないので球場にいるのに巨大スクリーンを見続ける、なんてことは起こりません。

マイナーリーグでもと言うべきか、だからこそと言うべきか、メジャーリーグに劣らないほどの身体能力を持った若い選手達の迫力あるプレイを至近距離で観ることができるのです。

筆者はネット裏最前列から今をときめくブラディミール・ゲレーロJr.内野手(トロント・ブルージェイズ)に数メートルの距離まで接近したことがありますし、同じ試合では166キロの剛速球がセンターフェンス越えに弾き返された場面を目の当たりにしました。一生の思い出です。


image by:角谷剛

2019年新人王最有力候補ブラディミール・ゲレーロJr.の大きなお尻。打席に向かっているのは同じく2019年にデビューした日系人選手のケストン・ヒウラ。2人ともこのときは3Aに在籍していました。

あるいは芝生になっている外野席でのんびり寝ころんで、日光浴をしながらビールを飲む。それもまた野球観戦の楽しみ方のひとつですが、マイナー球場ではそれが今でもできます。

San Manuel Stadium (カリフォルニア州)image by:角谷剛

そしてもうひとつ、マイナーリーグ観戦をおすすめする第3の理由は「旅の楽しみがあること」です。マイナーリーグの球場はほとんど小さな地方都市にあります。メジャーリーグの球場がある都会にはまずありません。

マイナーリーグを観戦するということは、そこに行くまでの道のりもまた旅の1部です。ローカル色の強い球場で、地元のファンに交じわることで、テレビ中継には映らないベースボールの本来の姿が見えてくるでしょう。

観たいチーム、行きたい球場の見つけ方

前述しました通り、マイナーリーグの球団は約200以上が北米中に散らばっています。いざ観戦したいチーム、行きたい球場を探すには、下のマイナーリーグ公式サイトがとても便利です。

好きな選手やメジャー球団傘下のチームを探す、観光がてらの寄り道だから場所で選ぶ、レベルの高いリーグを探す、などなど色々なやり方で候補を絞り込んでいくことができます。チケットはオンライン購入もできますし、球場窓口で直接買うこともできます。

特に好きな選手もチームもない。評判の良い球場を知りたいという方は、下のウェブページをご覧ください。全米各地からベスト30と評価された球場が写真入りで紹介されています。

古き良き時代のボールパークの雰囲気を味わうもよし、明日のメジャーリーグを担う若い選手たちの迫力あるプレイを満喫するもよし、野球が好きな人もそうでない人も、ぜひ一度マイナーリーグ観戦を旅のプランに加えてみてはいかがでしょうか。

  • 文・写真/角谷剛
  • image by:Cheryl Casey / Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
いま読まれてます

角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

エアトリインターナショナル コスパが高いLCC「ジェットスター」直行便でラクラク!ケアンズで大自然の癒やしを満喫しませんか?
メジャーリーグよりも野球を楽しめる?マイナーリーグ観戦のススメ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます