心震える絶景の藤の花。世界から愛される、福岡「河内藤園」
咲いては散っていく花々の儚く美しい姿は古くから日本の人々の心を魅了し、万葉集の中では桜を詠んだ歌が46首存在するといわれています。
そのように日本といえば桜というイメージが色濃いですが、実は万葉集には初夏に華やかに咲き乱れる「藤」を詠んだ歌も多く存在しており、印象的な日本の景色のひとつであることをご存知でしょうか。
今回はそんな藤が美しく乱れ、国内外から注目を集める福岡県北九州市の「河内藤園」の魅力を深掘りしてご紹介。
アメリカのテレビ局CNNが発表した「日本の最も美しい場所31選」に選出された同所では、日本の古き良き気品の漂う絶景を楽しむことができます。
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水彩画の中にいるような幻想的な景色が広がる「河内藤園」
福岡県北九州市の八幡区にある「河内藤園」は、1977年に開園した藤の庭園です。
見ごろを迎える時期には、野田長藤・口紅藤・赤紫・紅・白・八重・長・中・短といった22種類の藤の花が美しく咲き乱れます。
なかでも見ものは、約110mに渡る「藤のトンネル」です。上品な藤の花にキラキラと太陽が差し込み、光のシャワーを浴びるような絶景が広がります。
水彩画のように淡く上品なグラデーションで彩られる「藤の花トンネル」は目にも美しいですが、甘美な藤の香りにも心が癒されます。
「優しさ・歓迎」など、柔らかく見る人々を包み込むような花言葉を持つ藤の花を五感で堪能できる同所の「藤棚」は、あまりの美しさに世界中から注目を集め、国内外問わず多くの観光客が足を運ぶスポットです。
また、例年の11月中旬〜12月上旬の午前9時〜午後5時には約700本の紅葉が見頃を迎える「モミジの森」が開園し、紅葉の名所としても有名です。
モミジの木が狭い間隔で並んでいることから、それぞれの木が細く高く育っているのが特徴で、散策路の頭上を丸ごと覆うように背の高いモミジの景色が広がります。