古き良き文化をめぐる歴史散歩。東日本の美しき「城下町」6選

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2021/06/23

お城あるところに「城下町」あり。かつて城下町は、身分や職業によって住むところが分けられ、道は交通だけでなく戦いの防備としての役割も持つなど、計画的につくられた町でした。

明治以後の開発で、その面影はだいぶ薄れましたが、全国各地には古き良き時代を感じる景色が残されているところも少なくありません。そこで今回は東日本に残る美しき城下町をお届けします。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

弘前/青森県弘前市

image by:cowardlion/Shutterstock.com

弘前」は、津軽家10万石の城下町でした。江戸時代に武士が住んでいた「仲町地区」は伝統的建造物群保存地区になっており、旧伊東家住宅や旧岩田家住宅などの武家屋敷が保存されています。

弘前市は城下町特有の地名の由来を紹介するため、市内41カ所に古町名標柱を設置。標柱を探しながら、その場所のルーツに触れてみてもいいかもしれませんね。

白石/宮城県白石市

image by:photoAC

伊達家の家臣片倉家の城下町「白石」。白石城の北側、三の丸の外堀だった沢端川に面した後小路(うしろこうじ)に「旧小関家」が建っています。

建てられたのは1730(享保15)年、小関家初代元成の晩年か2代目元友の時代とされています。

台所と3間からなる間取りですが、畳と天井があるのは「なかま」という正座敷だけで、あとの2間は板敷で天井はありません。小関家は武士でしたが、簡素な屋敷に住んでいたことがわかります。

会津若松/福島県会津若松市

大内宿 image by:photoAC

会津若松」は、江戸時代は松平家23万石の城下町。しかし戊辰戦争で戦場となり、城下町は灰燼(じん)に帰しました。このため江戸時代の武家屋敷や町並みはほとんど残っていません。

現在は明治から昭和初期にかけてのレトロな雰囲気を楽しめます。その中心が「七日町通り」です。


鶴ヶ城の北側にある通りで、1914(大正3)年竣工の「白木屋漆器店」や、明治期の建物である「末廣酒造 嘉永蔵」などが並んでいます。

七日町通りから少し離れたところにある「福西本店」も見どころのひとつ。大正時代に建てられたもので、大通りに面した3つの蔵は黒漆喰塗りという凝った造りが特徴です。


松本/長野県松本市

image by:photoAC

黒と白のコントラストが印象的な松本城。その城下町はあまり広くありませんが、情緒ある景色を楽しめます。

松本城から南に下ると、左側に「縄手通り」という商店街があり、気軽にお店に立ち寄れます。女鳥羽川をはさんで縄手通りの対岸にあるのが「中町通り」です。こちらは土蔵造りのお店が並ぶ、落ち着いた感じの一画ですが、よく見ると南に下る道と北に上がる道がズレていることに気づくはず。

これは「食いちがい」といって、敵が簡単に城に近づけないようにしたしくみなのだとか。縄手通りや中町通りには古民具店、骨董店があり、ここは松本でのお土産スポットですので要チェックです。

高岡/富山県高岡市

image by:photoAC

高岡」は、前田家2代目藩主である前田利長の隠居地で、1609(慶長14)年に隠居城として高岡城が築かれました。

城下町のたたずまいを残した町並みでは、まず城の西側にある「山町筋」があります。商人町だったところで、通りには土蔵造りの家が並び、高岡商人の財力をうかがえます。

山町筋よりさらに西にある「金屋町」も城下町のたたずまいを感じられるスポットです。ここは利長が鋳物師を集めて鋳物業を営ませたところで、千本格子がはまった家が並ぶ町並みは、江戸時代にタイムスリップしたような感じにさせてくれます。

金沢/石川県金沢市

image by:photoAC

前田家100万石の城下町として栄えた「金沢」。現在でも、古き良き時代を感じる城下町です。

長町武家屋敷跡」には中級藩士の屋敷が残っており、土塀や石畳が江戸時代の雰囲気を伝えています。すぐ近くにある「野村家屋敷」は上級武士が住んだところで、総檜造りの天井やギヤマン(ガラス)が入った障子など凝った造りです。

長町武家屋敷跡に沿って流れる「大野庄用水」も見逃せません。金沢最古の用水で、武家屋敷の土塀と相まって城下町の趣きを出しています。

柔らかい雰囲気が味わいたいかたは「ひがし茶屋街」もおすすめです。1820(文化3)年につくられた花街で、格子のはまった茶屋が並んだ通りは、レトロな雰囲気をたっぷり感じられます。

今回は東日本の城下町をいくつかご紹介してきました。城下町を知るコツ。それは「歩くこと」につきるかもしれませんね。きっと城下町の細かい工夫が見えてくるはずですよ。

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元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

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