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京都・蓮久寺の怪談和尚が説く恐ろしくもありがたい「怪談説法」とは?

KYOTO SIDE
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2019/08/21

日本の夏の風物詩といえば、花火、海水浴、夏祭り、そして幽霊が出てくる怖〜い話、怪談もその一つ。恐怖のあまり眠れなくなる可能性大!にもかかわらず、つい耳を傾けてしまうという人も多いのでは? 

今回お目にかかったのは、そんな見えない世界への好奇心と恐怖心をかきたてる怪談の語り手。京都の日蓮宗寺院の住職を務める傍ら、テレビや講演会などで独自の「怪談説法」を説き続ける、怪談和尚こと三木大雲(みきだいうん)さんです。

どうして怪談を始めたのか、怪談は聞く人にとってどういう意味を持つのか、怪談にまつわるさまざまなお話をうかがいました。

怪談和尚・三木大雲住職を訪ねて光照山蓮久寺へ

夜の公園から始まった怪談説法

吉野太夫ゆかりの赤門

ーー今回初めてこちらへ伺いましたが、赤い門のあるお寺って珍しいですね。

三木住職(以下同):近くにある旧花街の島原で名妓と謳われた二代目吉野太夫より寄進された門なんですよ。あらゆる芸事に秀でた太夫ゆかりの寺として、古くから諸芸能にご利益があるといわれています。

ーー誰でも自由にお参りできるんですか?

あいにく当寺は通常非公開となっております。赤門は通りに面しているので、どなたでもご自由にお参りいただけますよ。

ーーお寺のお坊さんが怪談をお話になるのも、赤門と同じくらい珍しいですよね。何かきっかけがあったんですか?

実家のお寺は兄が継ぐことになっていて、次男の私は跡を継ぐ人のないお寺を自力で探さなければなりませんでした。お寺探しと修行を兼ねて方々のお寺へ伺うと、みなさん口々におっしゃるんです。「誰もお寺に来てくれない。来てくれてもお年寄りばかりで若い人は寄り付きもしない」と。


そんなある時、深夜の公園で若者たちの姿を見かけました。着ている服には「天上天下唯我独尊」と、お釈迦様がお生まれになった時に発したとされる言葉が刺繍されていたので、あっ仏教徒だ!と思って話しかけてみたんですよ。

ーーあの、おそらくその方々は仏教徒ではなく……(苦笑)。

 そう、いわゆる非行少年ですね。ちょっと話しかけたら「うるせー、来るな!」と追い返されました(笑)。それでも彼らと話がしたくて最初にしたのが怪談話です。幽霊に遭遇した私自身の体験を話しました。

ーー反応はどうでしたか?

最後まで真剣に聞いてくれて、一人の少年にこう言われたんです。「自分たちも幽霊みたいなものだ。親にも相手にされず、見えていない者のように扱われる。だから存在を認められた上に、手まで合わせてもらえて、その幽霊はすごく喜んでいると思うよ」って。

私の怪談からお説法を読み取ってくれたことに感動しましたね。同時に自分から外に出ていけば、若い人にも仏教の世界に触れてもらえるのだと気付かされました。そうして若者が集う夜の公園へ出向き、怪談を語り聞かせるようになったのが、今の活動の原点です。2005年に蓮久寺の住職となるまで、10年近く続けました。

ーー布教活動の一環として怪談を始められたと。一般的な怪談とどこか違ったりするのでしょうか?

怪談そのものは、自分が体験したり、伝え聞いたものをありのままにお話します。ただそのあとに必ず、お経に書かれているようなことをわかりやすくお伝えするようにしています。怪談と説法をセットにした独自のスタイルなので「怪談説法」と名付けました。

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