290人の名探偵を輩出。金沢にある日本初の「ミステリーカフェ」

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2019/11/06

今までに290人近くの「名探偵」を輩出

image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

なぜ普通の喫茶店ではなく、謎解きが楽しめる謎屋珈琲店という営業スタイルになったのでしょうか。店長の中山さんにお話を伺いました。

創業者の郷司さんが根っからのミステリー好きだということはもちろん、他店との差別化、喫茶店としての売り上げの確保を考えると、「普通」の喫茶店では駄目だという思いがあったと中山さんはいいます。

例えば、金沢は日本でも屈指の自家焙煎喫茶店のメッカ。実際に筆者も金沢駅から謎屋珈琲店まで歩く間に、いくつもの自家焙煎珈琲店を見かけました。

ソファ席でくつろぐお客 image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

また、喫茶店として売り上げを確保するためには、回転率を上げるか客単価を上げる必要があります。利用者にゆっくりと楽しんでもらいたいと考えると、客単価を上げる必要があります。客単価を上げるためには、何か工夫が必要で、その結果が謎解きだったんだそう。

たとえば謎解きサービスの1つとして、ドリンクとフードを注文すると謎が書かれたカードがお店の側から配布され、その謎を一定の数だけクリアすると『名探偵証明書』が受け取れるといった楽しみ方が考案されています。

名探偵証明書は銀→金→ブラックとクレジットカードのようにグレードがアップしていく仕掛けもあり、現在名探偵証明書の発行番号は290番ほど。

つまりお店から290人の名探偵が輩出したことになります。最終的なブラックカードも4名、生まれているというから驚きです。常連が繰り返し通って、腕試ししたくなるサービスとして、愛されている証拠のひとつですね。

店内には推理小説も置かれている image by:Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)

その他にも、随所に謎解きのチャンスが設けられており、店内には推理小説も陳列されています。こうしたサービスは、2号店の東京店にも生かされているそう。しかも、郷司さんが自ら家族を引き連れて東京に引っ越し、東京店を切り盛りしているといいます。

「もはや自分の好きなことを形にしたという創業当初の「自分の城」などと言っていられない状況になりました」とは郷司さん。


「仮に僕が病気になったりしたときに、謎屋珈琲店自体もなくなってしまうのでは、これまで通ってくださったお客様や、これから行こうと楽しみにしてくださった方を裏切ることになります」と、今後はお店としての仕組み作りにも力を入れつつ、顧客に極上の謎解きサービスを提供していくみたいですね。

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