世界中から熱視線。ベトナムの最後の楽園「コンダオ島」の魅力
コンダオ島の楽しみ方
コンダオ島の大きさは面積にしておよそ76平方キロメートル。これは伊豆七島の三宅島と同じくらいの大きさで、さほど広いわけではなく観光の移動手段としてはバイクをレンタルするのがもっとも一般的です。
バイクで島を周遊するとアップダウンがある道を走りながら山を越えてはその先に美しい海が開ける風景を楽しむことができます。海沿いには小さな漁村が点在し、山側に入ればのどかな田園風景が広がり、人々もみな素朴でチャーミング。
国立公園として自然保護地区の指定を受けるコンダオ島では、森林と海洋両方の生態系を併せ持つ自然の美しさを楽しむことができるのが特徴で、ダイビング、スノーケリングをはじめ森林でのトレッキングなどのツアーが実施されていて、この手付かずの自然が魅力です。
島一番の街であるコンダオヴィレッジも、ここでは時間の流れが実にゆったり。ホーチミンの街のあの喧騒を知る人にとってはまるで違う惑星を訪れたとも言えるほどの違いに驚くはず。
ホテルやリゾートのレストランでの優雅な食事もいいですが、滞在中はぜひ町中の食堂へ!
旅行中はなにかと野菜不足になりがちですが、ハーブをたくさん食するベトナム料理ならそんな心配もいりません。魚介類が豊富なのはいうまでもなく、またベトナム人が好んで食べるメニューに鍋がありますが、野菜たっぷりで身体に優しい鍋もぜひ試してほしい一品です。
“最後の楽園”と呼ばれる所以とは?
近年になるまで人の手による開発がされなかったため手づかずの自然が残るコンダオ島。ニャチャン、ダナン、フーコック島など90年代以降目覚ましい勢いでリゾート開発が続くベトナムで、この島が“最後の楽園”と呼ばれるに至ったには理由があるのです。
実はコンダオ島にはフランス統治時代の1861年に刑務所が作られ、その後のベトナム戦争終結まで100年以上ものあいだ流刑地だった歴史があります。
8つの収容所があり、ここに収容されたのは極悪犯などではなく主に社会に対して異義を唱える運動家や思想家たち。そのため収容者たちの扱いは残虐この上なく、悪名高き刑務所として史上に名を残しています。
上部にキャットウォークが設けられ、そこから監視人が槍でつつく石灰や水を浴びせる(石灰と水が科学反応を起こし熱湯となるそう)などの拷問を行う「虎の檻」と呼ばれる非道な檻があったことも有名。
現在は博物館として8つのうち3つの刑務所が一般公開されています。史実を伝える大切な役割を果たしてくれるので、コンダオ島を訪れた際にはぜひこちらにも立ち寄ってみてください。
モンスーン気候に属するコンダオ島の乾季はおおよそ12月から4月。そのなかでも2月がベストといわれています。これから日本が冬の間に南国リゾートを訪れたいと計画している人は、ひとつコンダオ島をセレクトの候補に入れてみてはいかがでしょうか。
- image by:Shutterstock.com
- ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。