住人がいても内見オッケー?スイスのおもしろ「引っ越し事情」
新生活が始まるこの季節。ひとり暮らしのスタートや引っ越しをしたというかたが多くいらっしゃるのではないでしょうか。
物件探しに荷物の整理と、日本でも引っ越しは一苦労なイメージがありますが、スイスには、日本では考えられない面白い引っ越し事情があるようです。
スイスでは「住人がいる部屋」を見学できるのは当たり前!?
スイスに来て2020年の夏で11年を迎えます。結婚当初、ダンナ様が住んでいた単身用のアパートに住むことになった私。
日本の単身用の物件とは違い、寝室と十分な広さのリビングにきちんとしたキッチン、キッチンの横にはウォークインクローゼットならぬ、ウォークイン食糧庫のようなスペースがあり、ひとり暮らしであればゆったりと暮らせるお部屋でした。
しかし、ふたり暮らしになり、将来的に子どものことを考えると3LDKは欲しいところ。くわえて、学校や幼稚園のことを考えたり、あまりガラが悪くないエリアを…ということで、探しに探した結果、現在の「Wohnung(アパート)」に落ち着いたのです。
スイスのお引越しは日本とは少し違うんです。日本ではネットや雑誌で物件を見たあと、不動産屋へ出向いてお部屋を見にいきますよね。お部屋を借りるのは早い者勝ち。
スイスもネットで物件探しをするんですが、直接不動産屋に行くということではなく、連絡して自分でお部屋を見学しにいくのが一般的なようです。
こんな感じでネットで閲覧可能。…チューリッヒの素敵なお部屋の月の家賃は約48万円。もちろん庶民のわが家には無理。
お部屋見学ですが…日本であれば、誰も住んでいない部屋を見せてもらうと思うんですが、スイスでは空き部屋もそうですが、まだ先住の人が住んでいるところを見にいくこともあるんです。
いま住んでいる家も、まだ居住者がいるときに見学しました。
前の住人が分かるということや、部屋の使い方を見れるのでいいかもしれません。もし、見学した部屋が気に入れば入居応募します。その際、家族構成・仕事先・年収等を記載した書類を提出。
入居者は先着順ではなく、管理会社によって誰を入居させるか決められるのです。
人気のお部屋になると、希望者が100人に到達することもあるようで…。
私たちのいまのお部屋は、希望者が3人だったそう。私たちが一番感じがいいということで、前の住人が不動産屋に口添えしてくれたそうです。
そんなスイスのお部屋事情ですが、契約は3カ月ごと(エリアによります)。そのため、3・6・9・12月がもっとも空室が多い時期となります。
この3カ月の契約途中に出る場合、次に入る人を自分で見つけるか、契約満了までの家賃を自分で支払わないといけないのです。
退去の際は3~4カ月前に申し出が必要。わが家の借りている部屋は4カ月前に申し出なければなりません。
新居へ入れるお金も2~3カ月分まとめて納入するので、うまく引っ越しの時期を選ばないと、初期の引っ越し費用が大きくなるので気をつけたいところ(2~3カ月分の納入金は、退去の際に返金されますが)。