美味しくないのにナゼ食べる?他県民が驚いた、日本全国の不思議な習慣
先に火葬をしてから葬式を行う/岩手県、秋田県、熊本県、沖縄県など
次は各地の特色がよく出る、お葬式の習慣から。東京に生まれ、埼玉に育ち、群馬や北海道、神奈川などにも暮らした経験のある筆者からすると、死者の葬送儀礼は、
- 通夜→葬儀・告別式→火葬
という順番が普通だと思っていました。しかし、日本には岩手や秋田を中心とする東北、九州南部、沖縄県のように、
- 通夜→火葬→葬儀・告別式
という感じで、火葬を先に行い、葬儀・告別式の段階で死者が骨になっている地域があるといいます。このようなスタイルを一般的に「骨葬(こつそう)」、あるいは「遺骨葬」と呼ぶそうです。
そもそも日本は高度成長期(1955年~73年)に入るまで、土葬が一般的だったと、関沢まゆみ『火葬化とその意味「遺骸葬」と「遺骨葬」:納骨施設の必須化』の国立歴史民俗博物館研究報告に書かれています。
しかし火葬が一般的になると、大きく分けて、
- (1)通夜→葬儀・告別式→火葬
- (2)通夜→火葬→葬儀・告別式
といった2種類のスタイルになったといいます。
筆者が生まれ育った関東は(1)の方が主流ですから、先に火葬をしてしまう(葬儀・告別式の際には遺体の顔を見られない)見送り方に、意外さを感じました。
先ほどの論文によれば、骨葬をする東北や九州・沖縄には、それぞれ先に火葬をするようになった背景が考えらえるとか。例えば、東北については通夜を2日など長く行う文化があるため遺体の腐敗が進んでしまう、九州や沖縄も気温が高いため遺体の腐敗が進みやすいなど。
こうした背景があったからこそ、火葬が定着するとともに先に火葬を行う習慣が、一部の地域に広がったと考えられるそうです。
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