世界に誇る芸術作品。有名建築家が設計した日本全国「美しい駅」8選
旅行では車や飛行機、バスや鉄道など、さまざまな交通機関を使いますよね。とくに全国を走る鉄道の駅舎なかには、有名建築家がデザインした駅もめずらしくありません。
そこで今回は、世界的に有名な建築家が手がけた芸術作品のような「日本の美しい駅」をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
女川駅/宮城県女川町
JR東日本の石巻線の終着駅である「女川駅」は、かつて東日本大震災により一度崩壊しました。しかし、2015年に女川町の復興のシンボルとして再建。このとき設計を担当したのは、世界的建築家である坂茂(ばん しげる)氏。
駅舎の屋根をウミネコが羽を広げた姿に見立てたデザインが目を引きます。
駅舎の2階には「女川ゆぽっぽ」という温泉施設があります。また、この駅周辺は町復興のため「女川駅前にぎわい拠点」として、公共施設や商業・観光施設などが集められているのが特徴。
駅から出ずに、あるいは駅からすぐ近くで観光が楽しめるというわけですね。とくに駅舎の3階にある展望デッキから望む女川の町の光景は絶景で、人気のスポットになっています。
宝積寺駅/栃木県高根沢町
「宝積寺(ほうしゃくじ)駅」は、栃木県塩谷郡高根沢町にあるJR東日本の駅です。2008年には鉄道デザインの国際デザインコンペティション「ブルネル賞」で建築部門の奨励賞を受賞しました。
この駅のデザインを担当したのは、建築家の隈研吾(くま けんご)氏。同氏は東京オリンピックのメイン会場のデザインを担当したほど、世界的に有名な建築家です。
一見すると、とても駅とは思えないほどスタイリッシュなデザイン。ブロックを積み重ねた壁や屋根など、外観はまるでおしゃれなコテージのよう。
そして中に入ると、大量の木材による数の幾何学模様の天井に驚かされます。駅前の広場は「ちょっ蔵広場」と呼ばれ、この町の人々の憩いの場所となっているそうですよ。
日立駅/茨城県日立市
茨城県日立市にある「日立駅」は、JR東日本の常磐線の駅です。駅舎を手がけたのは、日立市出身の建築家である妹島和世(せじま かずよ)氏。同氏はプリツカー賞、日本建築学会賞、吉岡賞など多数の受賞歴を持つ世界的な女性建築家です。
とくにプリツカー賞は「建築界のノーベル賞」という別名を持つほどの権威ある賞で、女性建築家としては日本人で唯一の受賞者なのです。
日立駅は、お洒落なデザインが特徴的。全体がガラス張りになっており、さらにそこから太平洋を一望できるという作りになっています。とくにここから望むは朝日はまさに絶景。「海の見える駅」として人気を集めています。
高輪ゲートウェイ駅/東京都港区
2020年3月に開通した「高輪ゲートウェイ駅」。JR東日本の山手線・京浜東北線が通っており、山手線では49年ぶりに新駅が開業したことで話題となりました。
デザインを手がけたのは、「宝積寺駅」でご紹介した隈研吾氏。駅舎は日本の折り紙をモチーフにした大きな屋根が特徴的で、国際色豊かなエリアにふさわしい空間が広がります。
また、AIを活用したサービスを提供しており、案内ロボットや清掃ロボット、広告ロボットなどが導入されています。
金沢駅/石川県金沢市
石川県金沢市にある「金沢駅」は、JR西日本、IRいしかわ鉄道の駅です。金沢市を代表する駅で、2001年には「中部の駅百選」に、そして2011年にはなんとアメリカの旅行雑誌『Travel + Leisure(ウェブ版)』の「世界で最も美しい駅」のひとつに選定されました。
それもそのはず。一見すると誰もが駅とは思わないであろうデザインとセンスに満ちあふれた駅舎なのです。
まず、駅舎の前にある巨大な門が目を引きます。これは当地の伝統芸能である加賀宝生の鼓をモチーフにした木造の「鼓門」です。
そして、その先の駅舎は国内最大級の網の目状アルミ建築となっており、駅舎内も外の景色や青空と一体となった素晴らしいものとなっています。伝統と近代の両方のイメージが一体となっている駅なのです。
設計を担当したのは白江龍三(しらえ りゅうぞう)氏。日本建築学会賞作品賞、グッドデザイン賞、日経ニューオフィス賞、免震構造協会賞作品賞など数々の賞を受賞している埼玉県出身の建築家です。この金沢駅は白江氏の代表作としても知られています。