暇すぎた女子大生が東北ひとり旅に出たら、いつの間にか人生が大きく変わっていた
再び私を襲った、暇という幸運
正直、行きの電車で山場は越えたと思っていました。そうです、私は舐めていました。東北地方の広さを、大きさを。
行きの15時間で感覚が完全に麻痺していましたが、東北の県と県を鈍行列車で移動しようと思えば、4時間とか電車に乗ることになるんですよね。
それはまだよい方で、文字通り何もない駅で電車を1時間半以上待たなければならないなんてことも。
そんな時は、とにかく写真を撮って遊んでいました。それでも、4時間乗って、1時間半待って、まだ2時間。2冊持ってきた本も読み終わり、途中で追加購入するも、さすがに暇になってしまいました。
「ダメだ、暇すぎる」
車内で寝ることにも飽きた私。暇つぶしのために、この旅の記録がてらブログを始めることに。当時大流行していた「はてなブログ」を、ノリで開設。本当になんとなく。私が暇に動かされたのは、これで二度目です。
ただ、この時ノリでもなんでもブログを始めていたからこそ、実はいまの私があるのです。このブログがきっかけで、私の人生がグルングルン回り始めたんですよね。
何もしない、をする時間
旅もいよいよ終盤、4日目を迎えました。私が向かったのは、秋田県・象潟(きさかた)。前日の夜に「明日はどこで何しようかな〜」って考えているときに、ネットで発見した場所です。
奈良県に住む私は、どうしても海が見たくって。実はここ、日本夕日百景に選ばれているんです。
夕日の時間までは、道の駅象潟「ねむの丘」で温泉を堪能。知らないおばちゃんと裸のお付き合いもしちゃいました。おばちゃんからすると、「こんな田舎に関西の若い娘が一人で何しとるんだ」と不思議だったようです。
温泉から出ても夕日まではしばらく時間があったので、ちょっと一杯。これぞ至福のひととき。最高of最高でした。
ここまで一切触れてきませんでしたが、私、お酒好きを豪語するおじさんもびっくりするほどの大の酒好きでして。この一人旅中もよく飲みました。
暮れていく時間をただひたすら待つ、だけ。何もしない、をする。少し勇気のいることですが、暇を潰すわけでもなく、もてあそぶわけでもない。嗜むとでもいうのでしょうか。そんな時間を、ただただ過ごしました。
ゆっくり、でも確実に沈んでいく夕日をじっと見つめる。その時ふと思ったことが。夕日が“沈んでいく”と、まるで太陽の方が動いているような表現を当たり前にしていますが、実際は、地球が回っているんですよね。どこまでも人間主体だな、なんて。
この日は夕日と共に時間を過ごしすぎたため、移動は諦めて象潟でもう一泊しました。
- 道の駅象潟「ねむの丘」
- 秋田県にかほ市象潟町字大塩越73-1
- 0184-32-5588
- 公式サイト