暇すぎた女子大生が東北ひとり旅に出たら、いつの間にか人生が大きく変わっていた
目的なんてない、やりたいからやる
東北一周一人旅もいよいよ最終日。宮城県・仙台空港へ向かいます。お世話になった青春18きっぷはここでお役目終了。帰りはちょっと楽して、フライトで帰ることにしたのです。
山形県から仙台空港へ向かう電車のなか、私は悶々と考えていました。ブログやSNSに旅の様子を発信していると、ありとあらゆる人から「何のためにやってるの?」とコメントが。
「何のために…」
そうあえて聞かれると、少し困ります。特に目的なんてなかったんです。“暇だから何かしたい”たったそれだけの、半ば衝動のようなものでしたから。
電車のなかで振り返ってみても、価値観が変わった、視野が広がった、なんてことはないんですよね。特に何かを成し遂げるために旅立ったわけでもなかったんです。
でもさ、それで良いじゃない。私はそう思います。何か行動を起こしたり、やってみたりすることに、必ずしも“確固たる理由”が必要なわけではないと思っています。やりたいから、面白そうだから、楽しそうだから。それで十分なんです。
全部のアクションに意味づけなんてできないんだから。目的や理由ばかり探して結局何もしないよりは、よほど良いことだと思います。
だから私は、嘲笑を含んだ「目的は?」「何のためにやってるの?」という問いには、「特に何も!」と堂々と答えたのです。
仙台空港から、関西国際空港へ向けて飛行機が加速します。あすからどんな日が待っているんだろう。きっとこれまでと変わらない毎日だろう。
でも、何かが動き出しそうなそんな高揚感に似たようなものを抱いて。飛行機から見下ろした仙台の街が、キラキラと輝いていました。
すべてが繋がり出した、2018年の冬
理由なんてない、目的なんてない、そんな私の東北一周一人旅が終わってから半年経った2018年2月。大学卒業を間近に控えた私は何をしていたでしょうか?そう、文章を書く仕事をしていました。ライターというお仕事です。
きっかけは、東北一周一人旅で始めたあのブログ。旅が終わってからも文字通り“徒然なるままに”文章を綴っていました。何気ない日常ばかり。でも、ブログを書いていてふと気づいたのです。
「私、文章を書くことが好きだ」
好きだからやるんです。好きだから仕事にしたいと思っちゃったんです。安直かもしれないけれど、良いじゃないですか。当時、企業への就職を予定していたけれど「やってみたい」には勝てなかったんですよね。
そして大学を卒業後はフリーライターとして独立し、2020年現在も、ライターを続けています。東北一周一人旅があったから、もっというと、あの時暇だったから、いまの私がある。
時に暇は、誰かを遠くに連れて行ってくれる。そして、誰かの人生を変えるのかもしれません。
あたたかいベッドから抜け出すのは、少し億劫なことかもしれない。でもそこを乗り越え、一歩踏み出した先には、新しい人生が待っているかもしれませんよ。
- image by:藤田真奈
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