初心者向けトレッキングコースも。天空の楽園、山形県「月山弥陀ヶ原」

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2021/08/21

『おくのほそ道』でお馴染みの俳人・松尾芭蕉。江戸を旅立ち東北や北陸、そして大垣に到着するまでが描かれた紀行文には、江戸時代日本の美しい自然や景色、人々の営みの様子をのこしています。

松尾芭蕉が訪れ、題材となった場所のひとつに山形県・月山(がっさん)があります。

松尾芭蕉が「雲の峯 いくつ崩れて 月の山」と詠んだ月山にある「弥陀ヶ原(みだがはら)湿原」は、いまでも天空の楽園と称されるほど。今回はその美しい景色が残されている月山・弥陀ヶ原をご紹介しましょう。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「月山」はどんな山?

image by:Shutterstock.com

山形県の中央部にある月山。標高1984mの活火山で、「日本百名山」にも選出されています。

月山は庄内地方に広がる出羽三山の一角としてそびえ、古くから信仰の対象として知られてきました。月山、羽黒山、湯殿山の3つの山の頂上には神社がご鎮座しており、山岳信仰の聖地として、いまもたくさんの修験者や参拝者が訪れます。

山岳信仰の聖地である出羽三山のなかで最も標高が高いのがこの月山。信仰の場としてはもちろんですが、その豊かな自然から観光地としても名を馳せています。

高山植物が咲き乱れる弥陀ヶ原湿原は、標高1400m付近の8合目に位置し、車で訪れることができるので登山初心者のかたでも気軽に楽しむことができます。

「弥陀ヶ原湿原」は高山植物の宝庫

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弥陀ヶ原湿原のある月山は、「磐梯朝日(ばんだいあさひ)国立公園」の一角に指定されており、珍しい高山植物の宝庫。毎年7月から8月にかけて、130種類以上の植物が花を咲かせる高山植物の楽園です。

目の前に広がる豊かな緑、次々と現れる水場、そしてニッコウキスゲやハクサンチドリ、ミズバショウなどの可憐な花々。これらを楽しむためのトレッキングルートが設けられており、一周約2km、およそ1時間ほどの穏やかな自然散策が楽しめます。


山の上にあるもののすぐ側まで車道が整備されており、車で行くことが可能。駐車場も完備、レストハウスもあります。

自然散策道は緩やかな道が続くため、きつい登山ではありません。足腰に自信のないかたであっても美しい自然を見ながらゆったり散策ができると人気です。

8合目まで上る前に、「月山ビジターセンター」で情報収集をするのがおすすめ。初めてのかたは特にビジターセンターで出羽三山の自然の様子やどんなコースがあるのか、現在どんな花が見られるのかなどを勉強してから先に進むと良いでしょう。

映像やパネルを使って分かりやすく展示された月山の自然は見ているだけで気持ちが上がります。これから先、散策をしながらこんなに美しい景色が見られるのかとワクワクすること間違いなしです。

美しい弥陀ヶ原湿原へ!

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月山ビジターセンターから弥陀ヶ原湿原へは、バスが運行しています。自家用車で弥陀ヶ原へと向かうかたは細い山道となっているので十分に気をつけて運転してください。ベストシーズンである6〜8月の週末は混雑しやすく、渋滞も頻繁に起こるので時間に余裕を持って向かいましょう。

くねくねと曲がりくねった山道を進んでいくと、突然広く開けた景色が現れます。これが弥陀ヶ原湿原!現在は車で訪れることができますが、昔は湿原に到達するまで険しい山道を登る必要がありました。

山を抜け、この湿原を目にした時の感動は素晴らしいものだったでしょう。楽園と呼ばれるのも納得の美しさです。湿原の中には木製の散策道が設けられているのでそれに沿って高山植物の世界を楽しみましょう。


どの季節がおすすめ?

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弥陀ヶ原湿原に高山植物が咲き乱れるのは7月から8月にかけて。6月の早い時期はまだ雪が残っていることがあり、その雪解けが終わったころに花が咲き始めます。

6月下旬には紫色のトキソウ、7月は真っ白なミズバショウやチングルマ、8月に入るとエゾオヤマリンドウなど色とりどりの花々に出会えます。

なかには氷河期から生き残っているといわれるオゼコウホネなど珍しい高山植物も見られますが、やはりこの花の季節に訪れるのが最もおすすめですね。

しかし、弥陀ヶ原湿原の絶景のひとつに秋の草紅葉もあげられます。

紅葉と同じように草原が黄金色に染まる草紅葉。どこまでも続く黄金色の大地は目に眩しく、ところどころにある池塘と呼ばれる水場に空の青色が反射して輝きます。花のカラフルな季節も美しいですが、草紅葉の季節も絶景です。

散策道の途中には神社も

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月山は霊山なので、弥陀ヶ原の散策道の途中にも神社がご鎮座しています。8合目にご鎮座しているのは「月山中之宮 御田原神社」で、本殿はなく小ぢんまりとしたお社が設けられています。

兎年に創建されたことから、狛犬ではなく狛兎がいるのが大きな特徴。この場所で月山頂上へと登る人々の安全をお祈りしているのでしょう。

持ち物や服装は?

整備が行き届き、気軽に訪れられる弥陀ヶ原湿原ですがやはり準備は必要です。歩きやすいものの細い散策道なので、足元は必ず履き慣れたスニーカーがマストです。ヒールやサンダルは滑りやすく危険なので控えましょう。

標高が高いので夏でも肌寒い日が多く、気温は7〜8月であっても16℃ほどなので羽織るものを忘れずに。薄手のパーカーやナイロンジャケットなどがおすすめです。

とはいえ山の天気は変わりやすく、歩き始めたころは晴れていたのに急に霧が出てくるなんてことも。レインコートも持参することをおすすめします。

※2021年は新型コロナウイルスの影響でレストハウスの営業時間等が変更になる可能性があります。

信仰の対象となる聖なる山の途中に現れる「弥陀ヶ原湿原」。時を超え守られてきた美しい湿原では、自然の力強さを感じられるはずですよ。

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現在は都内の旅行会社で働きつつ、週末をからめた弾丸トラベラーとして世界各国を旅するアラサー女子。

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