近づくことすら禁止?神秘的な世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」

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2022/03/12

2017年7月に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として、ユネスコ世界文化遺産に登録された「沖ノ島」。福岡県の西、玄界灘に浮かぶ周囲約4kmほどの小さな島は「神宿る島」や「神の島」と呼ばれ、島そのものが神域です。

2022年現在、そしてこれからも島に入ることはできず、島への接近すら禁止されているという神秘の島、そして由緒ある「宗像大社(むなかたたいしゃ)」の全貌へと迫ってみましょう。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

沖ノ島とは?

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沖ノ島は福岡県の北東部、宗像市に含まれる小さな島です。九州本土からは約60kmほど離れた玄界灘に浮かぶ島で、人の手が入っていない原生林が天然記念物に、そして島全体が史跡にも指定されています。

2017年には「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部として、ユネスコの世界文化遺産にも登録されました。

世界遺産というと観光地となっているところが多くありますが、沖ノ島の内部のことはほとんど知られていません。南西部に日本最古の神社のひとつである宗像大社のお宮「沖津宮(おきつぐう)」があり、いまでも宗像大社の神職のかたが滞在し、国の安寧を祈っているとされています。

沖ノ島は完全な「禁足地」

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上陸はもとより、2km以内に近づくことも許されない完全な聖地です。全国各地に人が足を踏み入れることの許されない、神聖な山や神社の祈祷所のようないわゆる「禁足地」が存在していますが、その最たるものがこの沖ノ島といえます。

沖ノ島は島全体が宗像大社の境内とされており、私有地です。世界遺産に登録されてからも一般に公開されることはなく、沖ノ島へと入れるのは宗像大社の神職、研究者らに限られた完全な聖域。

世界遺産に登録される前には、1年に1度だけ現地大祭の際に選ばれた男性200人程度が島へ入ることが許されていましたが、これも2017年に廃止されました。

島は石ころひとつ、草木ひとつ持ち出してはいけない、島のことは口外してはいけないとされ、この戒律が長年守られてきたため、その存在が公に知られるようになったのは明治時代に入ってからだとされています。なんとも神秘的な神社ですよね。


3社合わせて「宗像大社」

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沖ノ島を境内として保有しているのが宗像大社です。こちらは普通に参拝できるので安心してくださいね。もちろん、宗像大社も世界文化遺産を構成する一部です。

宗像大社がご鎮座しているのは、その名の通り福岡県宗像市。海沿いにある神社で、古くは航海の安全を祈る場所として崇拝されていました。その名残はいまもあり、交通安全のお守りの発祥の地ともされています。

宗像大社を構成しているのは沖ノ島の沖津宮をふくめた3つのお社です。

九州本土の宗像市内にご鎮座しているのが「辺津宮(へつぐう)」、本土と沖ノ島の間に浮かぶ大島にご鎮座するのが「中津宮(なかつぐう)」、そして沖ノ島の「沖津宮」で、3社合わせて宗像大社と呼ばれています。沖ノ島は上陸することも参拝することもできませんが、大島の中津宮には足を運ぶことができます。


宗像大社に祀られている神様は?

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宗像大社の3つのお社にお祀りされているのは同一の神様ではありません。

まず、もっとも訪れやすい本土の辺津宮の御祭神は「市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)」。大島の中津宮にお祀りされているのは「湍津姫神(たぎつひめのかみ)」。沖ノ島の沖津宮には「田心姫神(たごりひめのかみ)」がお祀りされています。

日本神話に登場する三柱の神様はすべて女性の神様で、ほぼ同じタイミングで登場する姉妹の神様です。三柱を合わせて「宗像三女神」と呼ばれることも。

日本神話のなかでは、この宗像三女神を生み出したのは「天照大神(あまてらすおおかみ)」とされています。

天照大神はいわずとしれた神道における最高神。この女神様たちも海の神様として古くから厚く信仰されており、全国各地の宗像神社に加えて広島の厳島神社や京都の石清水八幡宮など全国各地にお祀りされています。

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