成功した街・ポートランドが、有田川町のまちづくりに関わり始めたわけ

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2015/12/30

廃園が予定されている保育所をまちの拠点に

では、実際どんな活動が行われているのか、先日開催されたイベントをひとつご紹介しましょう。 2015年10月25日(日)、地域住人を巻き込んだワークショップ企画として、翌3月末に廃園予定の田殿保育所にて、この場の新たな活用アイデアを出し合うイベントが開催されました。

成功した街・ポートランドが、 有田町 の まちづくり に関わり始めたわけ

参加人数は午前と午後の部を合わせて総勢80名。 20代から40代を中心に、小さな子供を連れたお母さんから建築関係の自営業のひとや公務員まで、多様な人たちが集まり、4つのテーブルに分かれてアイデアを出し合います。 ポートランドからは、海を渡ってはるばる7名のサポーターたちが有田川まで駆けつけてくれました。

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テーブルの上には、有田川のみかんと、アイデアの活性化を促せるようにとポートランドチームが用意した様々なキットが並びました。 通訳担当の大学生ボランティアスタッフとともにポートランドメンバーが各テーブルに参加して進行をサポート。 「こんなのあったらいいね!」という前向きな意見をどんどん出し合って書き出していきました。

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ポートランドチームの姿勢から学ぶ2つの大事なこと

ワークショップという全員参加の意見交換の場を通じて、ポートランドチームが自らの姿勢をもって教えてくれたことはたくさんありました。 その中でも特に、ぜひ皆さんにお伝えしたい点が2つあります。

1つ目は、異なる視点を積極的に取り入れること。 実際、ポートランドでも、富裕層からホームレスまで多様な立場のひとたちの意見を取り入れることが重要とされています。 皆に愛される地域づくりには一部の立場からではなく、それぞれの立場から感じる意見を持ち寄ることが大切なのです。

そうはいっても、参加者の年齢や職業によって、どうしても立場が偏ってしまうもの。 そこで、今回のワークショップで用意されたのが「役割カード」です。 束になったカード一枚一枚に、企業家・主婦・おじいちゃん・病院の先生・ニートな若者などと異なる役割があらかじめ記載されており、一人一枚カードを引きます。普段の職業や立場の違いだけでなく、普段とは異なる立場にあえて思考を転換させることで、さらに多面的な発想が膨らむようにする一つの仕掛けです。

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2つ目は今からできることは何かを考えるということ。 「保育所は来年3月に廃校する」と聞くと、思わず4月以降のことを考えてしまいそうですが、ポートランドチームが提案したのは「まずは今からできること。 例えば保育所が終わった夕方以降の時間帯からできることを考えてみよう」という発想だったのです。 固定概念を取り払うことで可能性は広がる。 いつかではなく今からできることはたくさんあるのだと、彼らは教えてくれました。

彼らのアイデアを受け、参加者からは「近隣のおばあちゃんたちに教わって夕方はお料理教室がしたい!」や「夕方以降のマーケットイベントを開催して、この場に対してワクワクする印象を今からでも発信しよう!」という柔軟なアイデアが膨らんでいきました。

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