ラーメンに6,000円ってマジ…?アメリカの物価が限界突破してしまう
ここ数年、アメリカの物価が高騰し続けています。さらに昨今の円安傾向も加わって、日米間の物価差がどんどん大きくなっていることは、皆さんも報道で見聞きしたことがあると思います。
私は長いことアメリカに住んでいますので、「アメリカでラーメンを食べたら6,000円超えちゃったよ、なんてニュースを見たけど、それってホントなの?」と日本に住む友人から尋ねられたこともあります。
日米の物価上昇率が逆転するという異常事態。今回はそんなアメリカの物価事情をお伝えします。
止まらないアメリカのインフレ。日本と比較してみると…
アメリカのラーメンが実際に6,000円を超えたのか、という質問について。
結論から言いますと、はい、本当です。下の2枚の写真をご覧ください。
最近ロサンゼルスでもよく見かける「二郎系」ラーメンを、日系スーパーマーケットのフードコートで食べたときのものです。カウンターで注文し、自分でトレーをテーブルまで運ぶセルフサービスのお店です。
レギュラーサイズのラーメンの価格は17ドル。
「それじゃ日本円で1ドル150円※で計算しても、2,550円でしょ?確かに高いけど、6,000円は大袈裟じゃない?」と思うかもしれません(※2023年10月時点の円相場)。
しかし、リアルの世界ではそうは問屋が卸さないのです。
私は筋肉フリークでもありますので、食事の度にたんぱく質摂取は欠かせません。麺とモヤシだけでは当然足りませんので、卵とチャーシューを追加した値段が22.50ドル(3,375円)。
カリフォルニア州内は市や郡によって消費税率が異なるのですが、ロサンゼルス周辺は約10%です。税込価格で24.61ドル(3,692円)です。
セルフサービスのお店でもこれだけします。テーブルやカウンターに座って、ラーメンを運んでもらうタイプのお店ですと、ふつうは15〜25%くらいのチップを払うのが常識です。つまり実際にラーメン一杯に支払う金額は、簡単に4,000円以上になってしまうのです。
それに、ランチや夕食でラーメン屋に入って、ラーメン一杯で済ませられますか?
私にはできません。ギョーザの一皿くらいつけたいですし、ビールの一杯(できれば二杯)は欠かせないからです。そうすると、おひとり様につき40ドル(6,000円)以上の請求書がテーブルに運ばれてきたとしても、なんら不思議ではありません。
そんなもん、ラーメン屋じゃねえやって、いちいち腹を立てていたら、アメリカでは生きていけないのです。
この驚くべきインフレーションの実態を他のB級グルメを例にとって紹介しましょう。
「カツカレー」は日本価格の3倍以上
2023年3月。神田神保町から世界に広がるカレーライスの専門店『マジカレー』が、私が住むカリフォルニア州アーバイン市にオープンしました。
大好きなメニューである「カツカレー」をお店で食べてみると、消費税+15%のチップ込みで19.21ドル(2,882円)でした。
同店のウェブサイトによると、神田神保町本店の同メニューは税込み920円とあります。
日本まで行かなくても、日本の美味しいカレーライスが食べられることは、アメリカ在住日本人にとっては大きな朗報です。しかし、同じメニューに3倍以上のおカネを払っているとなると、その感謝の気持ちもやや目減りしてしまいます。