外国人観光客からも不満続出…どうなる日本の「ライドシェア」
海外「Uber」体験レポ①/現地ですぐに利用できる便利さ
一方、海外のライドシェアを旅行者が利用すると、いったいどんなものなのでしょうか。
例えば、空港に着き、スマホの「Uber」アプリを立ち上げ、行き先を入力します。配車可能な運転手をアプリが探してくれて、見つかるとプラン別に運賃が表示されます。車のサイズが大型になると、運賃が若干高くなります。
その後、ターミナルの外にある「Uber」乗り場へ向かい、車をピックアップします。近年、主要空港では、タクシー乗り場とは別に、「Uber」などライドシェア専用の乗り場が設けられています。
一般車なので、アプリ上に表示される運転手に加え、車のメーカーと車種、ナンバーなどが目印になります。
支払い方法は、配車前に「クレジットカード(アプリに登録済み)」もしくは「現金」を選んでおきます。海外発行のクレジットカードを受け付けない場面が多いインドなどは、現金がおすすめ。
一方、欧米などの先進国は、日本発行のクレジットカードでも問題ありません。国によっては「QRコード決済」も増えています。先に運賃がわかるため、お釣りをごまかすなどのトラブルもありません。
海外「Uber」体験レポ②/語学力不要、支払いも簡単
行き先をピンポイントで指定できるので、車に乗ってから現地言語で行き先を運転手に伝える必要がなく、案内を間違う可能性が低いという点でメリットは大きいです。
万が一、会話が必要になっても、運転手がスマホを使いこなしており、「翻訳アプリ」で事足ります。
現地言語でアプリ上から運転手が「ピックアップ場所が混雑してたどり着けない。外に出てきて」などのメッセージが届くことがたまにあります。これもボタン1つで翻訳できる機能があって便利です。
今まで何度も使いましたが、やってきた車の差は大いにあったものの、トラブルに遭遇したことはありません。
ただ、深夜など、女性の1人利用は要注意と聞きます。滞在先のホテルなど、信頼できるところから配車してもらうのも手です。
海外と異なる日本ならではの“特殊事情”も影響か
日本での導入が遅れている理由の1つが、安全性の確保。しかし、ライドシェアの運転手は乗客が利用後に「評価」を登録するため、仕事に対する意識は高いものがあります。評価が低いと、売り上げに直結するからです。車の整備にもかなり気を使っていると、聞いたことがあります。
ただ、日本では何事にも完璧が求められ、ちょっとでもトラブルが起きると大ごとになり、すぐ「ダメだ」となります。特に、新規事業がその傾向です。
また、誰しもスマホ、ITを使いこなせるわけでなく、日本でタクシーをよく使う高齢世代には、海外のようなシステムは難しいでしょう。
しかしながら、タクシーの運転手が年々減り続けているだけでなく、路線バスは運転手不足で次々廃止、鉄道では無人駅が増えています。
今後さらに移動手段が限られてくると、旅行客だけでなく住民の生活にも支障が出ます。いろいろな意味で、本当に手遅れにならないことを願うのみです。
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