河合優実、「不適切にもほどがある!」大ブレイク後も「編み物にハマって家で12時間」
ドラマ「不適切にもほどがある!」で気になっていた方も多いはず。セーラー服に聖子ちゃんカット、反抗期でスケバンな女子高生を好演しお茶の間を釘付けにした女優・河合優実の最新映画『あんのこと』が6月7日(金)より公開。現在大ブレイク中、各界からオファーが殺到しているという彼女の素顔を迫るべく、TRiP EDiTORが直撃取材してきました!
ドラマ「不適切にもほどがある!」で大ブレイク中の23歳
第一話から「うっせぇんだよ!このクソジジイ!」
今年の1月クールに放送された宮藤官九郎脚本のドラマ「不適切にもほどがあ
2019年にデビューして以降、数々の新人映画賞を獲得するなど
山口百恵に似てるって言っちゃダメですか?
ドラマ「ふてほど」では初回放送時から「令和の山口百恵ちゃん?」「いや中森明菜にも似てる」「昭和顔ハンパない」「貫禄があるにもほどがある」とSNSを中心に話題沸騰。現在放送中の「RoOT/ルート」や藤本タツキ原作のマンガ『ルックバック』の劇場版アニメの声優、そして映画『ナミビアの砂漠』(2024年公
そんな河合優実の最新映画は、『SRサイタマノラッパー』シリーズ
小学4年生で不登校、12歳の時に母親の紹介で身体を売り、21歳で薬物の常習犯という少女・香川杏。実在した人物をモデルとする難役に臨んだ際の苦悩や葛藤、作品と役への真摯な
機能不全の家庭に生まれた少女の過酷な人生
──社会的弱者に焦点を当てた社会派ドラマということですが、出演が決まったときや脚本から受けた印象をお聞かせください。
監督の入江さんが覚悟を持って書いた“気”を感じました。私自身も強い気持ちで大切に取り組まなければと思いました。
──それはモデルになった方が実在するからですか?
はい。同じ人間で命を扱っている点では他の役も同じですが、数年前まで一緒に生きていた人を思うととても答えを出せないような問いが多かったです。
──その中でどうやって役を立ち上げていきましたか?
まず脚本を読んで想像し、その後、基になった記事を書かれた記者の方と長時間話しました。モデルとなったハナさん(仮名)についての情報をできるだけ聞かせてもらおうと思って。
──どんなことを感じましたか?
ハナさんの人生を再現するのは違うのかなと思いました。入江監督も別の人として一度切り離す必要があると言ってくれて、私もどこかで離れなきゃいけないなと思いましたね。
──香川杏として生きるってことですね。
はい、記者の方から聞いたことをベースに、香川杏という役として捉えました。心の中にハナさんがいますが、香川杏という人として生きるのは、どういうことなのかって考え続けました。
──それはクランクインしてからも?
そうですね。クランクインしてからの方が杏として生きることに集中できたかもしれないです。
──香川杏は、どういう女の子だと思いましたか?
一言では難しいですが前進する力が強い子だと思いました。同じ状況なら私にはできないくらい。最初のきっかけは刑事の多々羅や記者の桐野との出会いですが、自分の意志を持って切り開いていける女の子です。
──彼女自身ずっと変わりたいと思っていたのでしょうか。
どうなんだろう。いろいろ考えるんですけど、潜在的にはあったと思います。ただ、意識の上には出てこないというか、変わりたいと思う余裕もないぐらい薬物中心の生活だったんではないかと思います。
──毎日生きるだけで精一杯って感じですもんね。
嫌だな、痛いな、辛いなって思う瞬間はあったのかもしれないけど、それ以外の社会を知らないというか、家族と売人と自分が体を売っていた人しか周りにいなかったんですよね。
──撮影中、杏とどのような関係を築いていましたか?
毎朝挨拶していました。心の中にハナさんと杏がいると思って、口に出さずに喋りかけてるみたいな感じで。『今日も行ってきます。よろしくお願いします』って。もちろん答えがあるわけではないんですけどね。
──答えがなくても、話かけずにはいられない感じですか?
そうですね。答えはないけど映画にしていいのかなっていう迷いがあったからこそ、こちらから一方的にでも祈ることしかできないなと思って。毎朝のルーティンとして挨拶していたような感覚です。
──河合さんの誠実さを感じます。
起きたことを世の中に伝えるとか残してるっていう点では、記者の方が新聞で記事にしたことと一緒なので、それに尽きるじゃないかっていう気持ちもあったんです。でも映画は記事やニュースよりも長く記憶に残るかもしれませんし、映画を観た人が杏のことを忘れなかったら、それはすごく意味があることだなって思います。
──俳優という仕事だからできることですね。
高校の同級生が出版社で編集の仕事をしているのですが『この映画は絶対届けなきゃいけないと思った』って言ってくれたんです。すごくシンプルな言葉だったんですけど、胸に刺さりました。
共演者のこと、聞いちゃダメですか?
──杏を救おうとする刑事・多々羅を演じる佐藤二朗さん、ジャーナリストの桐野を演じる稲垣吾郎さんとのシーンが多かったですね。どんなやりとりをしましたか?
役についての話は特にしていないですね。日々楽しく現場で話していましたが、役やシーンの話はあまりしなかったです。でも、佐藤さんや稲垣さんが監督と話している姿は見ていました。
──重いテーマの作品ですが、みなさんと楽しい瞬間はあったということですね。
和気あいあいとした現場でした。佐藤さんも稲垣さんも優しかったです。
──佐藤さんが河合さんとの高架下のシーンを思い出深いと語っていますね。撮影前に河合さんから手を握られて、気合が入ったと。
その時点の自分にとってすごく大切なシーンで感情的だったんですよね。自分一人でもやれるかもしれないけど、佐藤さんのエネルギーをもらいたいって思って。それで『すいません。握手してもらっていいですか』とお願いしました。佐藤さんはびっくりしていましたが、すぐに気持ちを汲んでくれて、共闘してくれました。
──『あんのこと』は、「不適切にもほどがある」の直後の作品と
本当にたくさんの方に観ていただいたので、作品がヒットするって
プライベートな話、聞いちゃダメですか?
──ここからは河合さん本人のことを少し聞かせてください。演じた杏は多々羅、桐野と行動を共にすることで外に出る機会が増えて
根はものすごくインドアだと思います(笑)。編み物にハマってい
──それはすごい!(笑)。最近のお休みはどんなことをされてるのですか?
最近のお休みは、舞台を見に行きました。観劇行ったり、予定があ
──では家にいると何をしてるのですか?
えー、何してるんだろう(笑)。最近は料理で凝ったものを作ったりしてますよ。最近、パスタ作りました。あ、全
──(笑)。何パスタですか?
アラビアータです。私のパスタはめっちゃめちゃ美味しいです(笑
──(笑)。今行ってみたい場所、憧れの場所は?
実はキャンプに興味があります。道具を買うのがちょっと大変そうなの
──その他に行きたい場所はありますか? 旅行とかで。
旅行は好きです。数年前ですが、沖縄旅行が最高でした。
──どんな旅でしたか?
竹富島に行ったんですけど、ここはすごかったです、ホテルと集落
──カンヌでやりたいことは?
散歩です。とにかく街を歩いて、街のことを知りたいですね。街を
インタビュー・文/杉嶋未来
撮影/能美潤一郎
スタイリスト/杉本学子(WHITNEY)
ヘアメイク/上川タカエ(mod’s hair)
かわい・ゆうみ 2000年12月19日生まれ、東京都出身。2019年デビュー
information
監督・脚本:入江悠
出演:河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎 河井青葉 広岡由里子 早見あかり
配給:キノフィルムズ
6月7日(金)より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・
(C) 2023『あんのこと』製作委員会