最近、外国人に「お箸を上手に使う人が増えている」は本当か?その実態を探る
60カ国中で1位
自国での外食、あるいは自宅の食事でお箸を使う機会が増えるだけでなく、お箸を使う国への旅行も、お箸の使い方に習熟するいい機会になっているはずです。
日本は今、観光ブームです。コロナ禍による大ブレーキがありましたが、訪日外国人観光客は、オーバーツーリズムが叫ばれるくらい増え続けています。
「アンホルト・イプソス国家ブランド指数」ではドイツを抜き去り、60カ国中で日本が1位となりました。アジア太平洋地域から1位になった国は過去にありません。快挙と言えます。
日本へ行きたいと思う諸外国の人たちが、本格的な食体験を滞在中に期待していると、いくつもの調査結果が示しています。本格的な食体験が滞在中に予測されるのであれば、お箸の使い方を事前に予習する人も出てくるはずです。
現に、英語圏の掲示板やQ&Aサイトを見ても、日本滞在中のお箸の使い方に関するやり取りは複数確認できます。海外のメディアも同じく、お箸の使い方に、コンテンツ制作の可能性を感じているようです。
筆者が寄稿するアメリカの旅行メディアの編集長に、冒頭の北欧人たちとのエピソードを伝えた上で「お箸の正しい使い方とマナー違反を取り上げた記事を出してみない?」と提案すると、
<That sounds like an excellent article idea. I have some of the same questions myself – and I’m sure our readers do, too>
という回答がありました。「素晴らしい記事のアイデアだと思います。私自身も疑問に思っていた部分がありますし、読者も同じでしょう」といった感じでしょうか。
日本(アジア各国)への旅行の機会が、お箸の使い方への関心を高め、結果としてお箸を上手に使える人を増やす一因になっていると考えれば「なんだか最近、お箸の使い方が上手な外国人が多くない?」という疑問も、大きく間違ってはいなさそうですね。
- 【参考】
- 海外における日本食レストランの概数 – 農林水産省
- 箸市場レポート概要 – Business Research Insights
- 国家ブランド指数 2023:日本が史上初の首位に – Ipsos
- image by:Shutterstock.com
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