外で洗濯物を干すのはNG。イギリスで厳しいルールが設けられている理由
日々の生活の中で欠かせない家事といえば「洗濯」もその一つですが、洗濯機で洗ってから片すまでの工程が長くなることから何かと嫌われがち。外干しするとなると天気にも左右されやすいので一苦労ですよね…。
日本では、天気の良い日には庭やベランダなど基本的に場所の制限なく外干しできるのが当たり前。一方でイギリスでは、「外に洗濯物を干してはならない」というルールが設けられている場所もあるのだとか。そんな洗濯事情について、メルマガ「私のIELTS英語学習法」の著者であるイギリス在住のMihoさんが、最近のトレンドアイテムも踏まえてお話してくれています。
なぜ外に洗濯物を干したらいけないの?

まもなく2月が終わりますが、日本では、まだまだ気温が下がる地域が多いのではないかと思います。とは言っても、私の地元は太平洋に面しているので、冬は天気が良く、気温も氷点下になることは滅多にありません。そのため、冬でも洗濯物は外干しで、全然問題ありません!
イギリスの一般家庭では、一軒家で裏庭がある場合、そこに洗濯物を干します。でも、道路に面した庭やベランダ、テラスには、普通は洗濯物を干しません。アパートやマンションでは、「外に洗濯物を干してはいけない」というルールがある所もあります。

それは、人目につくところに洗濯物を干すと、見た目が悪くなると考えられているからです。ガーデニングの国イギリスでは、庭やテラスにテーブルと椅子を置いて、きれいな庭を眺めながら、お茶を楽しむ人たちがたくさんいます。
マンションも同様です。ベランダに鉢植えを並べ、椅子に座ってお茶を飲みながら、楽しそうに話している人たちをよく見かけます。 そんな素敵な時間を過ごす場所である庭やベランダに、洗濯物が干してあったら、興醒めしてしまいますよね。

また、秋冬は日照時間が短いだけでなく、太陽も出てこないので、外に洗濯物を干しても、なかなか乾かないことも、理由の一つだと思います。それで、部屋干しをするか、乾燥機を使って乾かすことが多くなります。
「乾燥機はいいけど、部屋干しだと、なかなか洗濯物が乾かないのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。

私も最初はそう思っていたのですが、イギリスの場合、春と夏は日照時間が長く、雨も少なくて乾燥気味になるため、部屋干しでも乾きます。
それに、秋冬は暖房を長時間つけるため、部屋がかなり乾燥します。そのため、部屋干しでも、問題なく乾くのです!しかも、部屋が乾燥しすぎるのを防いでくれるという利点もあります。
でも、ここ数年の光熱費の高騰で、電気代のかかる乾燥機だけでなく、暖房さえ極力使わない人が増えています。
しかも、イギリスは夏でもあまり気温が上がらないため、エアコンのある家庭が少なく、除湿機能を使って洗濯物を乾かすこともできません。その結果、秋冬に洗濯物を乾かすのに困る人が急増しているのです。

そんなイギリスで、今、人気が出ているのが、「heated clothes airer」です。Clothe airerは、日本で「物干しラック」とか「物干しスタンド」と呼ばれている物です。
その中に、電気で加熱できるタイプの物があります。それが「heated clothes airer」です。これを使えば、普通の物より早く洗濯物が乾きます。
このheated clothes airerは、乾燥機に比べ、電気代がかなり安く済みます。そのため、今では品切れになるお店も出るほど大人気です!
ちなみに、こちらの新聞記事によると、「heated clothes airer」を使った際の平均的な電気代は、1時間あたり8ペンス(約15円)で、乾燥機は75ペンス(約144円)だそうです。もちろん、乾燥機の方が早く乾きますが、乾燥にかかる時間を差し引いても、「heated clothes airer」の方がお得なのだそうです。

でも、問題点もあります。例えば、濡れた衣服を熱で乾かすことで、部屋の湿度が上がってしまう点です。イギリスの有名なインテリア・ライフスタイル雑誌『Ideal Home』のオンライン記事では、
- ・窓を少し開ける
- ・換気扇を回す
- ・除湿機を使う
等の対策が紹介されていました。
また、Tシャツやカットソーなどをハンガーにかけて乾かす人も多いと思います。そういう方には、ラック型よりも、こちらの商品のような、ハンガーにかけて干せる小型衣類乾燥機が便利かもしれません。
調べてみたところ、日本のAmazon や楽天などでも、いろいろなタイプの物が売られていました。日本でも光熱費が上がっているそうですから、これから人気が出るかもしれませんね。
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