岡本太郎も衝撃を受けた。沖縄の何もない聖地「御嶽」の気を体感する
具体的な拝所を簡単に説明しましたが、斎場御嶽の森そのものも雰囲気があってすばらしいので、じっくり味わってくださいね。
信仰の場を守るために
ところで、かつては年間に1~2万人だった斎場御嶽の入場者は、世界遺産登録やパワースポットブームによりどんどん増加し、2012年にはついに約43万8000人になったそうです。
そして観光客の増加とともにマナーの悪い人も増えてきているそうです。立ち入り禁止の祭壇に上がったり、大声で騒いだり、礼拝に訪れた人の横で大声を出したり、ひどい話では、御嶽 (うたき) を 「滝」 と勘違いして水着姿で訪れたりする人すらいたのだとか。
こういう事情もあってか最近は純粋に祈りに来る人が減っているようです。信仰の場として世界遺産に選ばれたのに本末転倒ですね。
僕の個人的な意見ですが、入場者の増加は、御嶽にとってはひとつもいいことはないような気がします。僕は何度か訪れていますが、15〜16年前に最初に訪れたときと比べると、最近は神秘的で張り詰めたような空気感がだいぶ薄まったなあ、とういう印象さえいだきます。
斎場御嶽は、現在年に2回休息期間を設けているようですが、入場制限も検討しているようです。また、男性の方が圧倒的にマナーが悪いひとが多いらしく、かつてのように男子禁制も検討されているそう。もしかしたら数年後には、入れなくなるかもしれませんね。
さいごに
最後に…正直にいうと、斎場御嶽を紹介するコラムを書きながら、入場者の増加は御嶽にとってよろしくない、と意見する自分自身に矛盾を感じています。
しかし、それと同時に本当に真摯な気持ちでマナーを守ってくださる方には、斎場御嶽を体感してほしいと心から願っています。
なるべく人がたくさんいない季節、時間帯をねらって行ってみてください。少しでも沖縄の御嶽のすばらしさを感じてもらえれば幸いです。さらに時間がある方は、もっとマイナーな御嶽を訪れるのもいいかもしれませんね。
住所:沖縄県南城市知念久手堅久手堅
サイト:http://www.city.nanjo.okinawa.jp/tourism/2011/11/sefa.html (南城市 世界文化遺産 斎場御嶽)
- image by:伊波 一志
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