岡本太郎も衝撃を受けた。沖縄の何もない聖地「御嶽」の気を体感する
入口から奥へ誘う石畳の参道を上っていくと左手に最初に見えてくる拝所が大庫理(うふぐーい)。大庫理では、琉球の最高神女(しんじょ)・聞得大君(きこえおおぎみ)の即位式の際、「御名づけ」という儀式が行なわれました(大庫理とは大広間や一番座という意味)。
つぎに大庫理から更に奥にまっすぐ進んでいくと寄満(ユインチ)という拝所があります。寄満は「台所」を意味し、当時ここには国内外からの海の幸・山の幸が集まり、それが「豊穣の寄り満つる所」と理解されたようです。
少々もどり三叉路を左に進むと、最も神秘的といわれている「三庫理(さんぐーい)」があります。巨大な2枚の岩が支えあうようにしてできた三角形の洞門。沖縄の太陽をまばゆほど受け、巨岩も青緑色に輝いています。ここは斎場御嶽のシンボルと言えるでしょう。
洞門は約1万5000年前におこった地震の断層のズレからできたと言われています。斎場御嶽では最も有名で神秘的な風景といえますね。ここは、聖域から出ている「気」を感じさせてくれるはずです。
さて、三庫理をくぐると奥は、琉球王国の大君が国の守護を祈願したとされるチョウノハナと言われる場所。ここからは神の島といわれる久高島を遙拝できます。
この他にもチイタイイシという拝所もあります。ここは三庫理の洞門に向かって右側にあるのですが、岩に二本の垂れた鍾乳石が見えます。
その下には壷がおかれ、鍾乳石から滴る水を受けています。この水滴は天から流れてくる霊水・御水(うびぃ)と呼ばれ、聞得大君の水撫でに使われ、再生の効果があると信じられたそうです。
また壷の水量によってその年の豊凶を占ったこともあったとか。もともとは金の壷がおかれていたそうですよ。
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