東京なのにこんな近くに見れるのか。小笠原のホエール・ウォッチング
今年も、クジラのシーズン真っ只中です。もちろん、食べるのではなく見るほうの、つまりホエール・ウォッチングのこと(笑)。
ホエール・ウォッチングというとすぐにハワイを思い浮かべますが、日本国内にも沖縄や奄美の島々、四国の高知、和歌山、千葉、北海道などクジラと会える場所がたくさんありますね。
一言でクジラといっても季節によって見られる種類が異なり、今の時期はザトウクジラのシーズン。毎年12月〜4月ころ、出産と子育てのため日本沿岸の海にやって来る彼らの姿を見る『ホエール・ウォッチングツアー』が人気を呼んでいます。
そこで今回は東京・小笠原のホエール・ウォッチング事情をご紹介します!
クジラとイルカ天国。小笠原のホエール・ウォッチングの魅力を探ってみた
ホエール・ウォッチングの歴史は1950年ころにさかのぼり、アメリカのサンディエゴで始まったことが記録に残っていますが、日本におけるホエール・ウォッチングは1988年に小笠原でスタート。
それが沖縄などに広がり今日に至ります。なんと、日本のホエール・ウォッチングの発祥地がまさかの東京都だったとは! クジラ好きもこれには驚きですね。
小笠原でのホエール・ウォッチングを語るとき、開口一番に出てくるのがクジラとの距離の話です。
どうやら多くの人にとって、小笠原でのホエール・ウォッチングはものすごく近くでクジラを見ることができた!という体験のよう。
小笠原ではホエール・ウォッチングの際、クジラの種類別に船のほうから近づいてはいけない距離を定めているのですが、クジラのほうから近づいてきた場合は別。そして、しばしばこのクジラみずからが船に近づいて来ることが実際に起こるようです。
子どものクジラが船に興味を示して近づいてくると、当然お母さんクジラもその後を追ってやって来るのですが、ときに本当に圧倒されるくらい接近してくるクジラもいるそう。
船のすぐそばまでやって来たクジラのブロウを思いっきり浴びてしまったというラッキーな人も。
夢に見ていた野生のイルカと泳ぐが叶うかも!?
小笠原諸島近海には20種類以上もの鯨類が回遊しているのですが、ホエール・ウォッチングではクジラの他、ミナミハンドルイルカやハシナガイルカ、ハンドウイルカなどのイルカたちを見られる可能性もとっても高く、海のコンディションが許せば、なんと水中で野生のイルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムも楽しめるのです!
このホエール・ウォッチングとドルフィンスイムの両方がセットになったのが小笠原のホエール・ウォッチングの最大の特徴で、一度この楽しさを体験するともう他では満足できなくなってしまうようです。
クジラとイルカの両方を見ることができるのはもちろん、運がよければ同時にクジラとイルカに会える——例えば船の右にクジラ、左にイルカとか!? 想像しただけでものすごいミラクルな体験ですね!
さらに、クジラと遊ぶイルカの姿を眺めたり、海の中でザトウクジラの歌声が聞こえたり、ドルフィンスイム中にクジラがそばを通るなんて超ラッキーな体験をした人もいるそう!
これはもう話を聞いているだけでなく、自分で体験してみないことには始まりませんね。
また、比較的浅瀬で子育てをするザトウクジラたちが島のごく沿岸にまでやって来る小笠原では、島の高台からも彼らの姿をよく見ることができます。
展望台からのんびりとウォッチングを楽しむのはもちろん、トレッキング中にクジラに会えることも。陸にいながらクジラを感じるなんて体験も小笠原ならでは。小笠原の大自然の中では、私たち人間も自然とクジラのような雄大な気分になれるのです。
ちなみに、東京〜小笠原間を結ぶ船「おがさわら丸」からも悠々と海を泳ぐクジラの姿がよく見られるので、小笠原でのホエール・ウォッチングは小笠原に入港する船の上からすでに始まっていると思ってください。
みなさん、小笠原へ行くときは、聟島が見えてくるあたりからはぜひ甲板に出てクジラを探してみることをおすすめします。