日本最古の水族館。100年以上の歴史を誇る、富山「魚津水族館」
日本最古と言われると、何の分野でも関心を抱きますよね。決して短くはない日本の歴史、日本最古の水族館と言えば、どこかご存じでしょうか?答えはズバリ、富山県にある『魚津水族館』になります。
東京でも大阪でも名古屋でもなく、日本海側の富山県、しかも県庁所在地の富山市ではなく魚津市という人口4万2千人程度の自治体にあるのですから、驚きではないでしょうか?そこで今回は富山県魚津市にある日本最古の水族館、魚津水族館を紹介したいと思います。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
日本最古の水族館は本当に富山にある?
そもそも富山県魚津市という土地は、どこにあるのでしょうか。大まかに言えば、日本海側にある富山県の東部。富山湾に面した自治体で、有名な観光資源としては蜃気楼(しんきろう)が挙げられますが、同市には日本最古の魚津水族館もあるのですね。
「本当に日本最古?」
と疑いたくなる人も少なくないかもしれません。しかし、同館はすでに100年以上の歴史を誇り、2013年(平成25年)に100周年を迎えています。現在の建物は3代目の建物で、創立当初の面影は残っていませんが、日本動物園水族館協会に所属する全国の水族館の中で最古の水族館として、間違いのない歴史を誇っているのですね。
日本で18番目に作られ、現存する日本最古の水族館
もちろん、誤解を招かないように補足しておきますが、魚津水族館が日本で初めて誕生した水族館という話ではありません。魚津水族館の階段の側面に水族館の年表が掲載されていますので、その年表を基に紹介すると、正真正銘の日本初の水族館は1882年(明治15年)に作られた『観魚室(うをのぞき)』。
国立で同年9月20日に設立され、上野博物館・動物園内に日本で最初に作られた水族館になります。溝井裕一著『水族館の文化史 ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』(勉誠出版)などにも、日本初の動物園である上野動物園の敷地内に作られた日本初の水族館についての記述がありました。
その後、1885年に東京の浅草に『(浅草)水族館』、1890年に東京の上野公園に『第3回内国勧業博覧会水族館』、同年に神奈川県の三崎村に『東京大学理学部附属三崎臨海実験所水族館』が設立されます。
以後は京都、兵庫、大阪、北海道、福岡、名古屋に続々と誕生した上で、いよいよ1913年(大正2年)に『富山県連合共進会魚津水族館』が創設されます。
順に数えてみると、魚津水族館は日本で18番目に作られた水族館という話になりますが、この中で現存する水族館は魚津水族館のみ。その意味で間違いなく現存最古の水族館と言えるのですね。