美しき風情。文化財に指定された全国の「レトロモダンな駅舎」6選
1872年に、新橋〜横浜間で初めて開通したとされる日本の鉄道は、その後、全国各地に広がっていき市民の大切なインフラとなりました。
20世紀に入って続々と建てられた駅舎ですが、建築物としても高いデザイン性があり、現在でもノスタルジックな当時の佇まいをあえて残している駅舎も多いのです。
今回はさまざまな駅のなかから、国の文化財などに指定されている、全国各地の「レトロモダンな駅舎」をご紹介していきます。
小樽駅/北海道小樽市
1934年に、道内初の鉄骨鉄筋コンクリート造りの駅として開業した「小樽駅」は、有形文化財に登録されている駅です。
プラットフォームが2階にあり、階段を降りて改札口から入退場を行うなど、上野駅を模した構造で作られているのだそう。
ホームには現在も多くの駅で見ることのできる、屋根を支えるため鉄製の柱が設けられており、建設当時は最先端の駅であったことがうかがえます。
4番線ホームは、小樽出身の俳優・石原裕次郎氏にちなんで「裕次郎ホーム」と名付けられており、人気の観光スポットとなっています。
気賀駅/静岡県浜松市
「気賀(きが)駅」は浜名湖北東部の都田川沿いに建てられている駅舎です。
以前は国鉄二俣線の気賀駅だったもので、現在は無人駅となっています。旧国鉄二俣線の路線は天竜浜名湖鉄道に引き継がれ、「天浜線」の愛称で親しまれています。
同路線には多くの無人駅がありますが、駅校舎のスペースで物販や飲食ブースが開かれているなど、観光客に向けた多くの取り組みが行われています。
また、隣駅である「西気賀駅」の本屋と待合所も同じく国の有形文化財に登録されていますので、あわせて見学してみてはいかがでしょうか。
琴平駅/香川県仲多度郡
香川県仲多度郡にある「琴平駅」は、1922年に建てられたJR土讃線の駅です。「こんぴらさん」のあだ名で親しまれている「金刀比羅神社」の最寄駅で、多くの方が利用しています。
国の有形文化財に指定されている建屋は、洋風の平屋木造建築で、よく見ると軒先には「金」の文字があしらわれています。
駅舎は木造のスレート葺(ぶ)きではありますが、耐震の外装・内装工事が施されており、2017年3月から開業当時の姿で再スタートをきっています。