新型コロナで窮地に立つ映画館を、街を支える。京都「出町座のソコ」の挑戦
新型コロナウイルスは、日本中の飲食店に強く影響を及ぼしました。多くのお店が苦境に立たされるなか、これまで手掛けていなかったテイクアウトを始めたり、フードデリバリーサービスに加盟したりと、皆さん、さまざまな道を模索しています。
そのような状況のなか、遠方に住む人にもおいしいものを食べていただこうと、「お取り寄せ」をスタートさせたカフェが京都にあります。
しかもその取り組みは、ある一軒の映画館を、さらにはそのお店がある街そのものを支援する形へとつながっていったのです。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。また本記事の取材は密接空間・密集・密接を避けて行っています。
庶民的なアーケード商店街の街「出町柳」
ウワサのカフェがある場所は、京都の「出町柳(でまちやなぎ)」。京阪電鉄と叡山電鉄の始発駅がある、のどかな街です。
駅のそばには鴨川がせせらぎ、「鴨川デルタ」と呼ばれる三角州は住民の憩いの場となっています。
鴨川の流れを眺めながら賀茂大橋や河合橋を渡ると、そこは大正時代に生まれた「出町桝形(でまちますがた)商店街」。全長164mにも及ぶ京都市内屈指のアーケード商店街です。
「鯖街道」の終点にあたるため、天井からは大きなサバのモニュメントが吊るされています。
劇場、カフェ、書店が合体した「出町座」
商店街のなかでいっそう目を引くのが「出町座(でまちざ)」。2017年12月28日にオープンしたミニシアターです。
館内はシアターのみならず、カフェ「出町座のソコ」と書店「CAVA (サヴァ)BOOKS」が同居しています。
それぞれ経営者は異なるものの、カフェはシアターのロビーの役目を果たし、館内に持ち込めるドリンクや「出町座の映画スナック3種セット」など軽食も提供しています。
舞台挨拶に訪れた映画監督や役者さんたちも、このカフェの皿にサインを残してゆきます。
CAVA BOOKSも映画関連の書籍を多く扱い、3軒が支えあいながら運営しているのです。
すべてテイクアウトOK!道の駅のようなカフェ「出町座のソコ」