他県民が絶対に読めない、地元民には当たり前の全国「難読地名」クイズ
その土地の人でないと、なかなか読めない「難読地名」が全国にはたくさんあります。住んでいる人からすると当たり前に読める地名でも、他県民からすると「どういう意味?」となるケースも少なくありません。
そんな難しくて読めない難読地名ですが、地元民からその名を耳にしたとき、あるいは調べて読み方を知ったときに日本国内でのカルチャーショックを感じるものです。そこで今回は、全国にある「初見では読めない地名」をいくつかピックアップしてみました。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
Q.鹿児島県の「那間」なんて読む?
鹿児島県にある「与論島」をご存じですか?鹿児島県の佐多岬の南の沖合に種子島や屋久島があり、さらに南下してトカラ列島を過ぎると、奄美諸島があります。
奄美諸島は大島や徳之島、沖永良部島などからなりますが、沖縄県との県境近く、沖縄本島から約23kmの距離に位置するのが与論島です。
全島がサンゴ礁からなる島で、コバルトブルーの美しい海を、何かの写真で眺めた経験のある人も多いのではないでしょうか。「幻の白い砂浜」と呼ばれる百合ヶ浜は、絶景好きには特に知られています。
百科事典によると、琉球王国の統治下に入っていた歴史がもともと同島にはあるそうですが、1609(慶長14)年に薩摩藩が侵攻し、同藩の直轄領となりました。
主な作物はサトウキビ・カボチャで、島の大部分では畑作が行われています。その島の北部に、「那間」という地名があるのですね。皆さんはなんと読むか分かりますか?
A.那間(なま)
『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』『日本歴史地名大系 47 鹿児島県の地名』で調べると、この地名は、もともとは「仲間村(なーまむら)」と呼んだそう。
1888(明治21)年にはその仲間村が那間村なり、1908(明治41)年に与論町の大字(おおあざ)になって現在に至るのですね。
ちなみに「字」とは町村内の区画を意味します。ほとんどが平地ながら、尾根などアップダウンも意外にある島ですので、与論島に訪れた際にはレンタカーを借りて、那間の辺りもめぐってみてはいかがでしょうか。
Q.山形県の「及位」なんて読む?
難読地名としてマニアには有名な「及位」。山形県の北東部にある真室川町の一地域の呼び名で、真室川の上流(塩根川)に位置しています。
JR奥羽本線の及位駅については、珍しい漢字の駅名として鉄道ファンにも知られているほど。
そんな山形県の及位は歴史ある場所で、江戸時代には、雄勝峠を控えた羽州街道の宿駅が発達していて、1868年(明治元年)には戊辰戦争の戦場にもなりました。
そんな「及位」はなんて読むか分かりますか?
A.及位(のぞき)
語源は、当地の荒行が由来しています。「丁岳山地」「神室山地」など、山深いこの辺りは修験道が盛んで、丁岳山地にある女甑山(めこしきやま)には「のぞきの行」という珍しい荒行があるのだとか。
逆さづりになって、絶壁にある岩窟(がんくつ)の秘仏を眺める荒行で、修めた行者は高い位を得られるため、「及(ブ)位(ニ)」と書いて「のぞき」と呼んだといわれています。
『角川日本地名大辞典』『日本歴史地名大系』で調べても同様の記述があります。
ちなみに、同じ山形県には「莅(のぞき)」という地名もあり、お隣の秋田県にも「及位(のぞき)」が存在しています。宮城県伊具郡丸森町にも「除(のぞき)」があるほど。
例えば、山形県の莅(のぞき)については、漢字そのものが「上から下を見下ろす」という意味になるそう。下方を見下ろせる高所が地名の由来として推察されるみたいですね。