ノスタルジックな旅路へ…時代を超えた美しい「レトロ駅舎」7選
旅の途中でふと出会うレトロな風景は、ビビッドに記憶に焼き付けられ、初めて訪れた場所でもどこか懐かしい気持ちになります。それが狙ったものではなく、思いがけず出会ったものだとなおのこと。今回は、思わず写真をいっぱい撮りたくなる「レトロな駅舎」が残る駅を紹介したいと思います。
JR肥薩線「嘉例川駅」/鹿児島県
鹿児島県最古の駅舎として登録有形文化財に登録されているのが霧島市にあるJR肥薩線の「嘉例川駅」。こんもりと緑生い茂る山を背景に、平屋造りの切妻屋根が目を惹く木造の駅舎が静かに佇みます。
ここは、駅舎はもちろん周辺の風景も含めて昔のままの姿が残る、本当に数少ない駅ではないでしょうか。周囲の空気と合わせて“秘境駅”と呼ぶのがピッタリで、ムービーでも写真でもどこをどう切りとっても素晴らしくフォトジェニックな空間。
現在は無人駅となっていますが、週末はレトロな駅舎を目当てに訪れる観光客の姿もちらほら。駅舎では、美人な看板ねこちゃんがお出迎えてしてくれます。鹿児島空港から車で10分というアクセスの良さなので、鹿児島へ行った際にはぜひ立ち寄ってみてください。
- JR肥薩線「嘉例川駅」
- 霧島市隼人町嘉例川
- 0995-45-5111(霧島市観光PR課)
- 定休日:なし
- 霧島市ホームページ
JR三角線「三角駅」/熊本県
熊本県宇城市、JR三角線の終着駅となる「三角駅」は、熊本の西の端っこ、天草観光の入り口に位置します。海沿いの道を走っていると突如瀟洒な洋風建築が現れるので、びっくりするのですが、よく見てみたらなんと駅でした。知らない人はきっとこんな場所にこんな素敵な駅があったとは!と驚くはず。
卵色の壁と、赤茶色の屋根。まずこのカラーリングからしてグッとくるかわいさで、屋根の上に立てられた十字架やアーチ型の窓にときめきます。
中に入ると思い切り高く取られた天井と、天井から下がるまん丸なお月様のような照明がまた素敵。逐一、明治時代の木造建築のディティールに見入ってしまうのですが、この三角駅が素晴らしいのはロケーションの完璧さ。だって、駅舎を挟んだ向こう側は海なんですから。
熊本駅から50分ほど。「特急 A列車で行こう」の観光列車も走っているので、鉄道ファンにはよく知られた駅ですが、レトロ好きにもたまらない駅です。
- JR三角線「三角駅」
- 熊本県宇城市三角町三角浦159
- 080-7607-0592
- 定休日:なし
- 営業時間(みどりの窓口):9:30~12:40/13:40~17:00
- 九州旅客鉄道株式会社ホームページ
JR鹿児島本線「門司港駅」/福岡県
鉄道駅舎として初めて国の重要文化財の指定を受けたのが、北九州市のJR鹿児島本線「門司港駅」。明治から昭和初期にかけて、この地が大陸貿易の拠点として飛躍的な発展を遂げたことはよく知られますが、その門司港の栄華時代を代表する歴史的建造物です。
ネオルネサンス様式と呼ばれる造りの駅舎は、完璧な左右対称のバランス美に富み、いかにも瀟洒で優雅。歴史ある西洋建築がいくつも残る門司港の街においても一際目を惹く存在で、当時の門司港がどれだけ華やかな賑わいを見せていたのかを物語ります。
ちなみに現在の駅舎は、2019年に復旧工事を終え大正時代の姿に復元されたもの。駅構内もガス灯の灯るプラットホームや木造の駅員室を始め、手洗い場に至るまで当時の雰囲気がそのまま残り、さながらモノクロフィルムを眺めているような気分になります。
どこをどう切り取ってもフォトジェニック過ぎて、駅だけでだいぶ楽しめちゃうのですが、この駅舎を含め周辺は「門司港レトロ」として趣のある歴史的建造物が点在するエリアになっているので、ぜひ周辺散策もしてみてください。門司港はガス灯が灯る夕刻や、対岸の下関の夜景が素敵なので、一泊で訪ねてほしい場所です。
- JR鹿児島本線「門司港駅」
- 福岡県北九州市門司区西海岸1-5-31
- 忘れ物承り所(受付時間8:30~20:00):093-321-0495
- 定休日:なし
- 営業時間(みどりの窓口):7:30~19:00
- 九州旅客鉄道株式会社ホームページ