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那須塩原「小太郎ヶ淵伝説」に残された二つの逸話の謎

まつこ
まつこ
2015/06/26

栃木県那須塩原市の塩原温泉郷には、「小太郎ヶ淵」というちょっと変わった名の渓谷があります。11の温泉地が集まる塩原温泉郷から車で山道をのぼること約10分、急な崖を超えた山の奥地にあるその渓谷はあります。

また小太郎ヶ淵といえば、訪れた人は必ずリピーターになってしまう草だんごの名店「小太郎茶屋」があることでも有名です。

小太郎ヶ淵

「小太郎ヶ淵」という名前の由来は、「過去に小太郎さんがどうにかなってしまった場所なんでしょ」と予想するかもしれませんね。その予想だいたい当たりです!

ただし、その逸話には二つのお話があるんです。1921年に創刊された『塩原名勝旧跡の伝説』で語られている二つのお話を見てみましょう。

 

小太郎が父の敵討ちをして失敗した説

小太郎ヶ淵
image by:Farferros/Shutterstock.com

時は文禄年間(1590年代)、塩原城主第四代 橘朝臣小山刑部太夫越前守は、非常に厳しい税の取立てを行い、人々を苦しめていました。見かねた家老の大島と小山達は陰謀を図り、慶長2年(1597年)4月19日、橘朝臣に花見をしようと山に誘い、殺害しました。

その後刑部の子である小太郎は、父の後を継いで塩原第五代 橘朝臣となりました。彼は殺された父親の敵を討とうと家老らに報復するも失敗し、追い詰められた小太郎はこの淵に身を投じたと伝えられます。それは父の死と同じく慶長2年9月17日のことで、その墓は今では見つけられないという話です。

小太郎が魔物によって淵に落とされそうになった説

小太郎ヶ淵

むかし小太郎という賢い男がこの淵でヤマベを釣っていたところ、蜘蛛の糸のような不思議な糸が自分の袴から出てきて、深い淵の中へ入っていることに気が付きました。変だなと思い、袴から糸を取って傍にあった木に結び付け、釣りを続けました。

しばらく経たつとその木は、恐ろしい音を立てて、水の中へ引き込まれました。それはこの淵の主である魔物の仕業だったのです。賢い小太郎は糸を木に結び付けていたおかげで助かったということです。

 

どちらの逸話をとっても、どうも腑に落ちないこの物語。リアリティはあるものの美しい渓谷で血が流れたとは思いたくないですし、せっかくならば小太郎さんは賢い男であってほしいものです。


ともあれ歴史的な面影を残す小太郎ヶ淵は、小太郎茶屋のおばあちゃんが手作りした絶品草だんごを味わいながら、塩原の四季折々の自然をのんびりと堪能できる場所。歴史と自然を肌で感じる小太郎ヶ淵は、那須塩原で訪れていただきたいスポットのひとつです。

小太郎ヶ淵

小太郎ヶ淵

住所:栃木県那須塩原市塩原

小太郎茶屋

住所:那須塩原市塩原1436
電話番号:0287-32-2246
営業期間:3~12月
営業時間:8:00~日没まで(早朝は草だんご仕込み中の場合あり)
アクセス:塩原温泉ビジターセンターより車で約10分
駐車場:あり(約20台)

image by:まつこ

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

まつこ

おんせん県(大分県)生まれ。
好きな大分料理は「吉野鶏めし」、もちろん冷蔵庫に「かぼす胡椒」は欠かせない。現在は、持ち前の酒飲み女っぷりを発揮し、東京の飲み屋をさまよう日々。

那須塩原「小太郎ヶ淵伝説」に残された二つの逸話の謎
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