行政もがんばっている。「ペットの殺処分ゼロ」に全国の自治体が本気
日本国内において「殺処分ゼロ」を目指して、素晴らしい成果を出している地域があります。各自治体の取り組みをみていきましょう。
神奈川の場合
神奈川県動物保護センターのふれあい広場のコンパニオンわんこ達?
抱っこ大好きで、勝手に膝にのって来ます???
神奈川県は、殺処分を廃止してから3年も経つそうです❗素晴らしい❗沢山のボランティアさんの協力の賜物ですね。 pic.twitter.com/KmBDLxeOQH— SHI-I-NYAN (@fukuneko_tei) 2016年10月24日
中でも注目すべきは、神奈川県。
神奈川県は、2014年、2015年、2年連続で犬と猫の殺処分がゼロを達成しました。さらに、犬の殺処分については3年間0件、猫の殺処分に関しては2014年から2年間0件です。
これを達成した大きな理由は2つ。
正当な理由がない限り、引き取らないようにし、保護センターへ収容される動物を減らしたことと、ボランティア団体などの協力で保護センターから譲渡する出口を広げたことの2つだそうです。
また、神奈川県動物保護センターは、還率を上げるために、動物たちの”所有者明示”の普及に取り組んでます。具体的には、犬や猫などにマイクロチップを埋め込み、所有者を明確にすることで、迷った動物たちを飼い主のもとに戻すということもしています。
札幌市の場合
札幌市の広報さっぽろによると殺処分された野良猫(迷い猫)の数はH25で764匹H26で534匹H27で48匹とのこと、昨年度の殺処分が激減したのはボランティアの存在が大きいとのことだ、果たして今年度はいかなる数値になるのかおおいに気になる。
— 日はまた昇る【若返る親父】 (@patwj68sc) 2016年10月5日
また札幌市動物管理センターも、2年連続で、犬の殺処分ゼロを達成しました。毎日新聞によると、ボランティア団体協力により、譲渡率が向上したことが大きな要因だそうです。
また「収容期間を7日間から無期限に延長したことや、13年9月の改正動物愛護法施行に伴い、行政側が引き取りを拒否することも可能になったこと」も理由となったようです。犬の殺処分を達成した札幌市は今後猫の殺処分に力を入れていくそう。
熊本市の場合
熊本の保健所では、熊本市愛護センターの取り組みで、殺処分ゼロに挑戦しているそうです!! 頭が下がる思いです・・ #相互フォロー
— 犬の4コマ漫画描いてるYAI (@dogmanga) 2016年11月10日
熊本市は2014年度に犬の殺処分ゼロを達成しています。同市は2002年度より動物愛護推進協議会を設立し、取り組みを強化してきました。主に、「責任な飼い主へ飼養継続を説得や返還・譲渡の推進」、「動物ふれあい教室、しつけ教室等によるペットの適正飼養、終生飼養の啓発」などを行ってきたそうですが、こういった取り組みが効果を生んだようです。
また、獣医師会、ボランティア団体などが協力しあって積極的に動いた活発な里親探しも成果につながったようです。
広島県の場合
image by: PWJ
2011年度に犬・猫の殺処分数が計8340頭と、全国ワーストを記録した広島県ですが、今年4月からは「殺処分ゼロ」を維持しています。
その背景には、広島県神石高原町に本部を構えるNPO法人のピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が運営する「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトの存在があります。このプロジェクトでは、2013年より殺処分対象の犬の引き取りを開始しました。
また、このプロジェクトではふるさと納税を有効的に使っています。毎日新聞によると、2014年9月に、ふるさと納税制度の使途指定先として、神石高原町内に本部を置くNPO法人も選べるようにしたところ、PWJを指定した納税が約1年半でなんと4億円を超えたそうです。
これを運営資金に、「犬舎新設」などの事業費に充て、今年4月からは県内で殺処分対象になった犬たちをすべて引き取り、現在までに「殺処分ゼロ」を維持しています。今年4月から9月までの、物愛護センターから引き取った犬たちは361頭にものぼるそう。
“2020年までの全国的な「殺処分ゼロ」の実現”に向けて、今年10月より『ふるさとチョイス』で寄付金10億円を募っています。
詳しくはこちらから。
東京都の場合
2015年度の東京都における犬・猫の殺処分数は979件。その内、猫は927件と、圧倒的な数を占めています。
こういった背景もあり、小池百合子都知事は公約に「ペット殺処分ゼロ」を実現を掲げています。8月には、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんとの対談で、「2020年東京五輪・パラリンピックをひとつの期限とした上で、東京都でいい例を示せるようにしたい」と話していました。小池都知事の主導の下、東京都も活動に本腰をいれていきそうですね。
一般の人においても、「殺処分をなくそう!」といった意見や活動をされている方が増えています。
(殺処分0)動物殺処分ゼロを目指します。神奈川県では2年連続で、実現できています。ドイツのシェルター制度など参考にし、獣医さん、保健所の現場の声、そしてペット業界と連携して、自然界と人間を繋いでくれる動物たちを大切にできる社会を作ります。また、放し飼い可能な公園、森を増やします。
— 三宅洋平 (@MIYAKE_YOHEI) 2016年6月30日
殺処分ゼロの世の中を目指して。
難しいことじゃなくて、私たちにできる小さなことをご紹介します♪https://t.co/OGy4cokWYd#猫壱 #猫壱ブログ #ねこ #ネコ #猫好き #ねこらぶ #猫 #ペット pic.twitter.com/IiOJp95Ir7— 猫壱(ねこいち)公式 (@necoichicojp) 2016年11月12日
私がTwitterを続けている理由→【保健所にはあなたを待っている命があります】#殺処分ゼロ pic.twitter.com/pWAS4OiP6H
— 四つ葉ちょび♪ (@chobi201405yu) 2016年11月10日
その一方では、「保健所に持ち込んでも、引き取り拒否をされた飼い主は、動物を虐待するんじゃないか」や、「殺処分ゼロを掲げるのは簡単だが、もし税金があがったらどうなんだ?」といった批判なども出ています。
動物の保護愛護も同じ。世の中、お金がなんでもかかるんだよね。かわいそうな犬猫いるから保護してって丸投げの人って基本的に一円も出さない。動いてる方がお金使うんだよね。
殺処分ゼロ言うのは簡単だけどそれを叶えるのに例えば消費税が20%になるならゼロ賛成な人達は同意出来るのかなと思う。 https://t.co/D3cftWh4ov— 広瀬正美@C91へのゴングは鳴った (@HERO_WOLFDOG) 2016年11月11日
@gooddo_jp 不思議だなぁ。犬の殺処分は「かわいそう」とか「ゼロにしろ」とか言われるのに、中絶という名前の人間の殺処分は「女性の権利だ」「仕方ない」とか言われちゃうんだ。いつから人間は人間よりも犬猫の命を大切にするようになったんだろう。
— 夜勤仕事 (@yakeen4510) 2016年7月5日
このように、様々な意見はありますが、動物を救うために日々力を注ぐ行政が増えており、良い方向に活性化されていることがわかりました。