行政もがんばっている。「ペットの殺処分ゼロ」に全国の自治体が本気
海外と比較。「殺処分ゼロ」のドイツ
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日本の取り組み状況はわかりましたが、ここで世界の状況を見ていきましょう。
欧米諸国では、民間動物保護団体が大きな役割を果たしています。「各地で動物保護施設を運営し、飼い主に捨てられた犬猫、野良犬・猫を受け入れ、飼養管理するとともに新たな飼い主の斡旋を行っている」そうです。
中でも注目はドイツです。ドイツは、欧米の中でも動物福祉国として有名で、原則として、殺処分はおこなわなれていません。
ドイツには、民間の動物保護協会が運営する動物保護施設「ティアハイム」(Tierheim)があります。全国500カ所以上もの民間シェルターを展開し、動物を保護し、また飼い主斡旋をおこなっています。
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国立国会図書館によると、英国動物虐待防止協会(RSPCA)をはじめ、バタシー・ドッグズ&キャッツ・ホーム(Battersea Dogs and Cats Home)、犬専門のドッグズ・トラスト、猫専門のキャッツ・プロテクション(Cats Protection)などの民間団体があり、こういった民間の団体が動物たちを守るために大きな役割を果たしています。こちらも、RSPCAの収入約1.2億ポンド(2013年)のうち、約1億ポンドが寄付・遺贈だそうです。
欧米では、運営資金の多くは、税金ではなく、寄付金で賄われていますが、ここに大きな違いあります。個人や企業、国が、動物を大切にしていこうという動物愛護の精神が定着しているようです。
日本の現状や海外での取り組みなどを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
日本国内でも自治体での取り組みが活性化し、「殺処分ゼロ」の活動によって、大きく前進したといえるでしょう。しかし、依然として、8万件以上の犬や猫が殺処分されている現状があり、まだたくさんの課題が残されています。
今後もこのような活動を維持し、さらに活性化させていくためには、個人、社会、国の動物に対する意識をさらに高めていくことが今後ますます必要になっていくでしょう。
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source by: 神奈川県動物愛護協会, 時事通信, 国立国会図書館 , ダイヤモンドオンライン, PEDGE