大田区民も実は知らない?池上本門寺「お会式」祭りを楽しむ雑学
今年の秋も、東京都大田区・池上地区には全国から30万人もの人々が訪れ、秋を代表する祭り・池上本門寺の「お会式(おえしき)」に酔いしれました。10月11日から3日間かけて行われるお会式の中でも一番の見所「万灯練り供養」の日には、大人から子供まで夜更かし必至、深酒もなんのその、夜中までお祭り気分を味わい尽くします。3mはあろうかという巨大な万灯をかつぎ、団扇太鼓を叩きながら約3000人が大行列をつくる様子は涼しくなった秋の夜に熱気をもたらします。
東京都大田区に住んでいる方なら一度は行ったことがあるという池上本門寺のお会式、編集部・まつこも今年初めて間近で見ることができたのですが、隣で見ていたカップルがボソっと一言。
「そもそもお会式ってなんなの?」
た…確かに。実は大田区に長年住んでいて、お会式に行ったことは何度もあるのに、一体何のお祭りなのか知らないという方は結構いるようです。私も由来すら知らずに行ってしまったので、既に2015年のお祭りは終わってしまいましたが、来年のためにも、改めて「池上本門寺のお会式」について書いてみる事にします。
お会式=宗祖の命日に行う法事
そもそも御会式とは、宗祖の命日にあわせて行われる法事のような行事。仏教の各宗派に関わりなく、法会の儀式という意味で、全国各地で行われています。池上本門寺では、約700年前に亡くなられた日蓮聖人の命日である10月13日を中心に行われます。
もちろん全国に日蓮宗寺院はあるので、10月13日を中心に各地でお会式は営まれますが、日蓮聖人御入滅の霊跡である池上本門寺のお会式がもっとも盛大に行われます!
3日間かけて何をするの?
池上本門寺のお会式は毎年10月11日から命日の13日まで3日間かけて行われます。今回私が訪れた12日の「万灯練り供養」しか見たことがないという人が大半ですが、前後2日間も池上本門寺では粛々と行事が執り行われています。
【11日】
歴代先師聖人並びに池上法類・池上護山会先師報恩法
要など執り行われます。 【12日】
10時頃 宗祖御更衣法要で聖人の御衣を夏物から冬物の御衣にあらためます。
14時頃 宗祖報恩御逮夜法要で全国から参詣者が大堂に参集します。
18時頃 池上徳持会舘から本門寺までの約2キロにわたる「万灯練り供養」で賑わいます。【13日】
19時頃 特別説法・臨滅度時法要で聖人入滅時に六老僧日昭聖人が打たれた臨滅度時の鐘にならい、臨滅度時の鐘が打ち鳴らされます。