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W杯予選敗退のイタリア、でも6月のフィレンツェは古代サッカーで熱狂する

高橋真奈美
2018/04/12

イタリア中部に位置する歴史と文化が息づく街・フィレンツェ。観光地としても人気が高いこの地には、サッカーやラグビーの起源となった古代スポーツが今も行われていて、見る者のハートをアツく滾らせているのだとか。今回はそんな過激すぎる競技の全貌と、年一回の大会で盛り上がるフィレンツェの様子を紹介。ロシアワールドカップの出場を逃したイタリアだけに、今年はきっとこれで盛り上がるはず。

殴る・蹴る・タックルもアリな「カルチョ・ストーリコ」

突然ですが、皆さんは世界で最も過激なスポーツとも言われる「カルチョ・ストーリコ・フィオレンティーノ(Calcio Storico Fiorentino)」をご存知でしょうか。

日本ではほとんど馴染みのない競技だと思いますので、まずはその試合の映像からご覧ください。

途中、ボールがちょこっと映ったので、球技であるということはご理解いただけたかとは思いますが、肝心の選手たちはボールそっちのけで殴る蹴る……。プレー中に揉め事があって乱闘騒ぎに? いや、これはこういうスポーツなんです。

「カルチョ・ストーリコ・フィオレンティーノ」とは、イタリア語で「フィレンツェの歴史的なサッカー」を意味します。毎年6月に開催される「カルチョ・ストーリコ」は、15世紀にフィレンツェで始まったもので、現代のサッカーやラグビーの起源ともされています。

その特徴は、映像をご覧になれば十分お分かりだと思いますが、格闘技のバトルロイヤルを連想させるような過激すぎる競技スタイル1チームが27人、合計54人の選手たちが土のフィールドでひとつのボールを奪い合い、相手陣地にボールを運べば得点。試合時間は50分で、もちろん得点の多いチームが勝ちです。

ちなみに、古代サッカーとも呼ばれる「カルチョ・ストーリコ」ですが、手でボールを触ることも許されています。競技中はフィールドのあちらこちらでラグビーのようなタックル押さえ込み、また殴る蹴るの乱闘騒ぎといったバトルが起こるため、観客はボールの行方を追いかけるのも一苦労。ただ総勢54人もの漢たちが、裸の身体をぶつけ合いながらボールを奪い合う熱気と迫力は、まさに圧巻モノなのです。

フィレンツェ4地区の意地と意地とがぶつかり合う

毎年6月に開催される「カルチョ・ストーリコ」の大会は、フィレンツェにある4つの地区がトーナメント方式で争います

大会が近づいてくると、試合会場となる広場には土が運ばれてフィールドが作られ、その周りには観客席が設置されるなど、試合に向けた準備でにわかに慌ただしくなります。

また、大会に出場するそれぞれの地区のストリートには、それぞれのチーム色が彩られた旗がいたるところに飾られるなど、応援ムード一色に。フィレンツェの街が大いに盛り上がります。

そして、いよいよ試合当日。古代衣装をまとった各チームのメンバーたちが、行列を組んで試合会場まで練り歩く姿を、街頭で見ることができます。

観客席には、それぞれのチームカラーをまとった応援団が集結し、地元チームへ熱い声援を送ります。得点が入れば、応援団のボルテージは最高潮に。

チームカラーの発煙筒が至る所で焚かれ、会場内はフィールドが見えないほど、その色の煙で埋め尽くされます。

高橋真奈美/イタリア在住。ライター兼フォトグラファー。ヨーロッパを中心に活動中。

W杯予選敗退のイタリア、でも6月のフィレンツェは古代サッカーで熱狂する
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