日本にもこんなところがあったのか!外国人も驚く「上高地」の美しさ

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2018/06/06

まだ梅雨入り前だというのに、30度近い気温が続く毎日。夏本番になれば、さらに暑い日々が続くかと思うと、どこか遠くの避暑地へ涼をもとめて出かけたくなります。

そんな旅先として最適なのが、日本初の山岳リゾート地として知られる長野県西部の景勝地、「上高地」。

ここを訪れた欧米人が、あまりの美しさに驚いて世界中にアピールしたという逸話も残されています。さあ、「神の降り立つ地」と書き「神降地」とも称される雄大な自然と、マイナスイオンたっぷりの空気を体感する旅へ出かけてみませんか?

今年の夏は海より山。日本の山岳リゾート発祥の地「上高地」へ!

ここ近年、日本の夏は暑くなるばかり。暑いだけならまだしも、ムッとする湿気と夜になっても気温が下がらないコンクリートジャングルの不快感に「あぁ、今年もまた暑い夏がやって来る」と憂鬱な気分になる人も少なくないのではないでしょうか。

そんな暑い夏から手っ取り早く逃げ出すには、山の高原リゾートに出かけるのが一番です。とりあえず標高が高いところに行けばそのぶん気温も低くなるわけで、さらりとした空気の気持ちよさは下界のそれとは大違い!

マイナスイオンたっぷりの山の澄んだ空気が、湿気と熱気で疲れた身体を内側からクリーニング。見事に生き返らせてくれます。

涼をもとめて行きたいのは、日本を代表する山岳リゾート、上高地。ここ上高地といえば、帝国ホテルがあるとか、芥川龍之介が小説『河童の舞台モデルにしたとか、様々なトピックが思い浮かびますが、何はともあれ中部山岳国立公園の一部として国の文化財(特別名勝特別天然記念物にも指定される大自然の宝庫です。

自然保護の目的でマイカー規制が行われているエリアなので、決してアクセスがよいわけではありません。また一年のうち訪れることができるのは開山シーズンとなる4月下旬から11月中旬まで(一部、冬季でも宿泊できる施設もありますが、ほとんどの宿や店をはじめ冬季は公共バスも運行していません)。その知名度の高さに反して、思いのほか実際に訪れるには敷居が高いのも上高地の特徴。

しかしながら、そんな不便な思いをしても何度でも訪れたくなるのは、誰をも納得させる感動の景色に出会える場所だから。


それでは、上高地のロケーションや歴史を振り返りつつ、その見どころをモデルコースとともにご紹介していきましょう。

上高地は散策に最適のロケーション

標高1500mに位置する上高地は、梓川(あずさがわ)の上流に10kmにわたり開けた平坦な土地で、空に向かってそびえる穂高連峰焼岳を背景に、渓流にそって美しい池や湿原・森が広がるエリアです。

image by:Wikimedia Commons

山岳地帯に広域で平野のような土地が広がるエリアは珍しく、そのためレジャーで気軽に訪れた人も、本格的な登山を目的で訪れた人も、強いて言えばお年寄りや子どもから、プロの登山家までそれぞれに山を楽しめるという、ある意味で稀有な場所でもあります。

上高地へのアクセスとなるバスが到着するバスターミナル付近(上記地図の「河童橋」と「大正池」の中間付近)にはホテルやレストランが点在し、シーズン中は多くの観光客の姿で賑わいます。夏の上高地は、まさに山岳リゾートの雰囲気。

日本初の「山岳リゾート」、上高地の歴史をひもとく

実は、日本の山岳リゾートの発祥はこの上高地で始まったことをご存知でしょうか。そもそも日本では古くから山は信仰・修行の場であり、また生活のために狩猟をおこなう人が足を踏み入れるところでした。

19世紀に、英国人宣教師で「日本近代登山の父」としてその名が知られているウォルータ・ウェストン師が上高地と穂高連峰、槍ヶ岳の素晴らしさを広く世界にアピールしたことで、初めて日本人にも山の自然をレジャーとして楽しむという概念がもたらされました。

梓川沿いに設置されたウェストン碑。image by:Wikimedia Commons

山岳リゾート化スタートの遅かった我が国が、今のように一般の人々が上高地を訪れ、その自然を楽しむようになったのは昭和に入ってからのこと。結果として、長いあいだ人間がむやみに足を踏み入れなかった上高地は、自然の宝庫が守られたというわけです。

それでは、エリアの玄関口となるバスターミナルから上高地散策モデルコースを歩いてみましょう。

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