青山や中目黒の奥様が殺到、パリ発「冷凍食品スーパー」が急拡大

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2018/08/10

4号店の「代官山アドレス」内にある、代官山店で本格的に導入されたイートインは、ランチタイムやティータイムによく活用されているようだ。席数は21席で、電子レンジが設置され、セルフで温めて食べる。モバイラーのビジネスパーソンには嬉しい無料コンセント付のカウンター席、リビングのようにゆったりできるテーブル席がある。近隣のママ友たちの少人数の集まり、休日ならばファミリーも多いが、女性のおひとり様も目立つ。

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ピカール代官山店 イートイン

イートインで食べられるのは、1人用の電子レンジで温めるだけの商品に限られ、売場では陳列に「こちらの商品はイートインできます」と表示されている。商品的にはパスタ、カレーライス、ラザニア、グラタン、スープ、フレンチトースト、デザートなどとなっている。コーヒーや生搾りジュースと共に購入すると、100円引きになる。コーヒーは「イリー」の商品を提供、生搾りジュースは注文を聞いてからオレンジを搾ってくれる。

このように、従来の冷凍食品のイメージを覆す店舗、商品を展開する「ピカール」は、デパ地下にも売っていない独自の商品が魅力。しかし、今のところフランスで開発された商品のみを扱っているので、日本人の食生活の一部、洋食しかカバーしていない弱点もある。これまで「ピカール」はヨーロッパでしか店舗展開していなかったので、日本人に馴染みが深い和食中華には対応していない。スーパーやコンビニの冷凍食品も、チャーハン、うどんの麺などは、改良が進んでお店の味に近づいてきている。「ピカール」ではカバーできていない領域だ。

それゆえイオンでも、麻布十番店のようにスーパーに併設してみたり、代官山店のようにイートインをつくってみたりと、日本での展開に最善なスタイルを確立しようと探っているようだ。

さらに進化を続ける、「ピカール」がどういった形になっていくのか。女性が活躍できる社会を目指す国策、食品廃棄はもったいないと考える国民意識の高まりといった、時流に乗った業態であることは確かだ。果たして100店、200店と店舗を出し続けられるのか。今後の動向に注目したい。

image by: ピカール公式Facebook

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兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

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