世界遺産の温泉も。日本温泉協会が「オール5」を付けた日帰り温泉
温泉宿に宿泊するとなると、時間がかかるためちょっと大変…といった方もいるのではないでしょうか。そんなとき、日帰り入浴施設なら気軽に温泉でリフレッシュを楽しめます。
前回は、天然温泉表示制度で「オール5」の評価を得た全国の温泉旅館・ホテルを紹介しましたが、「オール5」を獲得した全国の日帰り・共同浴場を紹介したいと思います。
「オール5」と評価された温泉は温泉ファンからも評価される名所ぞろい
日本温泉協会はかつて、天然温泉表示制度を運営しており、その中で日本天然温泉審査機構という外部団体に依頼して、一部の温泉の評価を行っていました。天然温泉表示制度の歴史や詳細などに関しては、ぜひ前回の記事も参考にしてみてください。
日本温泉協会が評価した会員の温泉利用施設は、全国にある温泉宿やホテル、公衆浴場(2万972軒)のなかのほんの一部です。また、天然温泉表示制度は現地調査の人的、金銭的な限界などを理由に、2019年に廃止が決定されています。
それでも「オール5」に評価された温泉旅館やホテルの価値は、基本的には変わらないはず。「オール5」と評価された温泉旅館やホテルは、いわゆる温泉ファンからも評価される名所ぞろいだという事実もあります。日帰り・共同浴場に関しても、その意味で訪れる価値があると考えられそうですよね。
天然温泉表示制度の「オール5」とは?
天然温泉表示制度は1976年にスタートし、2000年に制度の見直し、2003~2005年のテスト期間を経て、2005年に新制度がスタートしました。従来の天然温泉表示制度にはなかった項目として、温泉に関するさまざまな情報が利用者に公表されるようになりました。その中で、
- 源泉(源泉が温泉地に所在するのか、湧出の形態、湧出量など)
- 泉質(利用する源泉の泉質は療養泉の規定に適合するのかなど)
- 引湯方法と距離(源泉から施設までの引き湯方法と引き湯の距離など)
- 給湯、拝湯の方式(源泉かけ流しか、循環式かなど)
- 加水(加水の有無と、加水の理由)
- 新湯注入率(1時間あたりの新湯の注入量など)
に関しては5段階評価で採点が行われ、評価が温泉利用者の目に留まるかたちになりました。上述の6項目において、全て5点満点を獲得した温泉旅館やホテル、日帰り・共同浴場が「オール5」と呼ばれるようになります。
繰り返しますが、評価対象となった会員施設は全国の温泉利用施設の中でもほんの一握り。名前が出てこない場所がダメなのか?と言えば、まったく違います。
しかし少なくとも「オール5」と評価された場所は、2005年の段階では「最高」の日帰り温泉だったのですから、「最高」に近い温泉をいまでも楽しめる確率は高いといえますよね。では、どんな温泉が高く評価されていたのでしょうか?