水着で混浴。海外の温泉文化は日本とこんなに違う
日本の温泉文化は、世界的に見ると実は風変りだとご存じでしょうか?
筆者がシェアハウスでロシア人たちと一緒に暮らしていたころ、同じく源泉を豊富に持つロシアでの温泉のイメージや入浴方法が、日本人とは大きく異なると知って驚いた経験もあります。そこで今回は、ロシアとその背景にあるヨーロッパの温泉や、アジアの温泉事情から、日本の温泉文化との違いを紹介したいと思います。
27,000を超える源泉数。日本は世界屈指の温泉地
日本ではそこかしこで温泉が当たり前のようにわき出していますが、そもそも世界的に見て温泉地には、ものすごく偏りがあるとご存じでしょうか。
山村順次著『世界の温泉地』(大明堂)には、世界の温泉分布図が掲載されています。世界の源泉が示されているのですが、日本列島には源泉を示す黒点がびっしりと集まっています。
その源泉は、北方四島を含む千島列島(クリル諸島)全域、海峡を挟んだカムチャッカ半島へと続き、北太平洋のアリューシャン列島にも集中しています。そして北米の西海岸に及び、中南米を経て、南米チリの太平洋岸で終わっています。
日本から南に目を向ければ、中国の海岸部から東南アジア、ニュージーランドにも源泉が目立ちます。要するに、世界的に見て源泉は太平洋をぐるりと取り囲む環太平洋地域に集中しているのです。
その環太平洋の中でも、日本温泉総合研究所が国内に2万7千を超える源泉があるというように、特に日本に集中していると分かります。単に日本で温泉の掘削が進んでいるというだけかもしれませんが、日本がいかに温泉の資源に恵まれているかが、よくわかりますね。
日本だけでなく海外にも温泉があります。例えば、南米のチリのConaripe(コニャリペ)という場所では、大自然の中で温泉を楽しむことができます。Villarrica(ビジャリカ)国立公園のなかに位置し、世界的に見ても大きな天然温泉があります。
イタリアのトスカーナ州にあるVal d’Orcia(ヴァル・ドルチャ)には、古くから愛されるBagno Vignoni(バーニョ・ヴィニョーニ)という温泉地があります。大自然のなかでは足湯も楽しめるのだとか。
他にも、ロシア、ニュージーランド、ドイツ、オーストラリア、フランス、ベルギーなど、温泉は様々な国で人々を癒しています。でも日本でいう温泉とは裸で入浴することが一般的ですが、海外では入浴スタイルがちょっと異なるみたいです。