水着で混浴。海外の温泉文化は日本とこんなに違う
温泉は「男女で水着」が世界の温泉スタイル!?
日本には豊富な源泉があると言いましたが、世界的に見て温泉の入り方も日本はユニークです。
例えば、かつてシェアハウスで同居したロシア人たちに聞くと、ロシアの中でも源泉の多いカムチャッカ半島にある温泉は、河原に露天風呂が文字通り露出していて、真冬でも男女が水着を着て泳ぐと言った、レジャーに近い要素があると言います。
保養地の天然温泉であっても、男女で水着といったスタイルが基本となっているのだとか。
男女で水着になって、水かきをしながら体をくつろがせる入浴スタイルは、何もロシアだけではありません。同じく源泉が豊富にある南半球のニュージーランドも一緒です。
筆者は同国の北島の温泉地を旅した経験がありますが、現地の人たちは河原の天然温泉や温泉入浴施設で、水着を着て気持ち良さそうに泳いでいました。
ウラディミール・クリチェク著、種村季弘・高木万里子訳『世界温泉文化史』(国文社)を読むと、ロシアでの温泉浴はピョートル一世がヨーロッパを旅して周り、ロシアに持ち帰ったところから歴史が始まると書かれています。
その文化の源流であるヨーロッパの温泉も、やはり水着を着て男女で泳ぐように入浴するスタイルが主流のようです。
もちろん、江戸時代の有馬温泉の絵画などを見ると、日本でも男女が一緒にお風呂に入っている様子が描かれています。ふんどしなども着用したままですから、日本でも昔と今では入浴スタイルが違っていたみたいです。
しかし現代は基本的にタオル1枚も湯船には入れられません。一部で水着の着用が認められる露天風呂なども確かにありますが、むしろ違和感がありますよね。男女が別々の浴槽に分かれて、全裸でじっと動かず入浴するスタイルがやはり日本流です。
男女の隔てなく「水着を着て泳ぐ」という世界の感覚とは、やはりちょっと異なっていると言えそうですね。