たまには船で海外旅行。日本の港からフェリーで行ける外国の街

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2019/02/24

島国に暮らしている日本人の場合、海外に行こうとすると海を越えなければいけません。海を越えるとなると今は飛行機での移動が基本になりますが、飛行機が登場するまでは船が唯一の手段でした。この船による海外への渡航、実は今も可能だとご存じですか?

そこで今回は日本の港から海外の港に向けて就航している定期便を行先の国別にまとめてみました。日本の港に盛んに寄港するようになった海外のクルーズ船ではなく、定期航路として海外行きの船が出ている日本の港と、その行先である海外の港をご紹介していきます。

ロシア行きの船が出る日本の港

ウラジオストク image by: Shutterstock.com

最初はお隣の国、ロシアから。ロシアへの航路と言えば、1960年代や70年代に青春を迎えた世代の人であれば、ナホトカ航路を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。横浜から沿海州のナホトカを結ぶ「伝説の」航路ですね。

横浜港大桟橋からの出港の様子(1985年6月)Akitoshi Iio [CC BY-SA 3.0], from Wikimedia Commons
ナホトカ港の税関(1985年7月)Akitoshi Iio [CC BY-SA 3.0], from Wikimedia Commons

ナホトカからはウラジオストクまでシベリア鉄道の支線が出ていて、ウラジオストクからは鉄路で広大なユーラシア大陸を横断できました。

日本からヨーロッパへ出られる旅路として日本の若者に夢を描かせるには十分な魅力があり、例えば作家の五木寛之さんも青年期に、荒野を目指してこの旅路を行きました。

しかしこのナホトカ航路も今はありません

代わって富山県の伏木港から極東の軍港であるウラジオストクまでの航路が登場し、富山に移住した経験を持つ筆者も移住直後にルーシ号(ウラジオストク⇔伏木を往復した船)に乗船しました。が、同航路も現在はストップしています。

2019年1月時点で、ロシアと定期的に船を就航させている日本の港は、


  • 境港(島根県)〜東海(韓国)〜ウラジオストク(ロシア)
  • 稚内(北海道)〜コルサコフ(ロシア)

の2航路です。

韓国・東海市のビーチ image by: Shutterstock.com

境港(島根県)〜東海(韓国)〜ウラジオストク(ロシア)は、2009年に環日本海の交流を目指して就航した歴史があります。韓国の東海とはあまり聞き覚えのない港町かと思いますが、朝鮮半島東部の太白山脈と日本海に挟まれた場所にある小さな町ですね。

ウラジオストクは先ほども登場したように極東の軍港で、シベリア鉄道の始発駅になっています。両国の政治が新たな局面に入ろうとしているときにこそ、この手の海路で結ばれた人的な交流は、とても大きな意味を持ちますよね。

ウラジオストク image by: Evgeniia Bezuglova / Shutterstock.com

稚内は北海道の北端近くにある町。宗谷海峡(そうやかいきょう)を挟んでサハリン(樺太)があり、かつて日本領だった時代に大泊と呼ばれたコルサコフとの間で国際フェリーが就航しています。

船を就航させる北海道サハリン航路株式会社によると、両港の最短距離はわずか43km移動時間は4時間30分です。8月と9月にしか運航していませんが、両国の交流を促進する貴重な航路ですね。

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