ちょっぴり怖い「通りゃんせ」はどこの話?有名童謡の舞台を探す
『鳩(のちにハトポッポ)』(作詞・作曲は未発表)
最後は文部省(現在の文部科学省)が1911年に出した国定教科書『尋常小学唱歌』掲載の『鳩』です。
産経新聞の記事や合田道人著『童謡の風景』(中日新聞社)によると、鳩は東くめ作詞、滝廉太郎作曲の『鳩ぽっぽ』から着想を得ていると考えられるのだとか。
国立国会図書館のデジタルコレクションでも確認できる通り、後に学校の先生のために作られた『ウタノホン:教師用.上』という本で、鳩は『ハトポッポ』に改題され、いまの形に落ち着いています。
整理すると、滝廉太郎作曲の鳩ぽっぽから始まり(と考えられている)、鳩を経て、ハトポッポへと変わっていったのですね。
着想を得ているといっても、滝廉太郎の鳩ぽっぽと尋常小学唱歌のハトポッポ(もともとは鳩)は、歌詞もメロディーも違います。
それでもハトポッポ(尋常小学唱歌)が鳩ぽっぽ(滝廉太郎作曲)に影響を受けているとすれば、舞台は東京の浅草寺といえそうです。
浅草寺には確かに、滝廉太郎作曲の鳩ぽっぽに関する歌碑が建てられています。浅草寺に旅行した際には、歌碑を探してみてください。
以上、わらべ歌や唱歌の舞台を紹介しましたが、いかがでしたか? 大人になってからわらべ歌や唱歌の歌詞に注目すると、大きな発見が幾つもあるはず。『しゃぼん玉』や『赤い靴』などにも深い意味がありますから、ぜひ調べてみてくださいね。
- 参考
- 『ウタノホン:教師用.上』
- 合田道人著『童謡の風景』(中日新聞社)
- 日本の童謡研究会『誰も知らなかった本当はこわい日本の童謡』(ワニブックス)
- 上田信道『名作童話ふしぎ物語』(創元社)
- 「♪ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ」に原曲があった? “本家本元”の曲をミュージックチャイムに:産経新聞
- image by:Kentagon [Public domain], via Wikimedia Commons
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