復興の象徴。ドイツの古都「ドレスデン」の復旧建築をめぐる旅
かつてザクセン王国の首都として栄えたドイツの古都ドレスデン。「エルベ川のフィレンツェ」とも呼ばれる、美しく歴史のある街で、バロック様式の宮殿や荘厳な教会が建ち並んでいます。
そんな中世の佇まいが残る美しい旧市街を持つドレスデンですが、第二次世界大戦時に壊滅状態となってしまいました。戦後も旧東ドイツに属していたため復興がなかなか進まず、東西ドイツ統一後に復興した街なのです。今回は歴史ある街、ドレスデンの魅力をご紹介します。
ドレスデン城にあるマイセンタイルの壁画「君主の行進」
12世紀末からザクセン王家の居城として使われていた、ネオルネッサンス様式の「ドレスデン城(レジデンツ城)」は、第二次世界大戦時の空襲で建物の大部分が破壊されましたが、2006年に復旧工事が終了しています。そんなドレスデン城の見どころは、東側にあるシュタールホーフの外壁。およそ24,000枚以上ものマイセン磁器タイルを使った壁画があるんです。
高さ約8m、長さ約100mもある、35人の歴代ザクセン候が描かれた「君主の行列」は、とにかく圧巻。見渡す限り全部タイルで作られているから驚きです。
マイセンの磁器は高温にも耐える堅固さで、空爆による損傷を免れたのだとか。現代の陶磁器作品のなかでも、世界最大級の作品といわれるわけが分かる気がしますね。
存在感を放つ「カトリック旧宮廷教会(三位一体大聖堂)」
ドレスデン城に隣接する「カトリック旧宮廷教会(三位一体大聖堂)」は、ドレスデン最大級の教会で、尖塔の十字架が見えないほど高い建物です。
旧市街の路地はどれも細いので、広場に面していないと写真を撮るのはほぼ不可能。屋根の上に聖人像が78体並ぶバロック様式の教会は、少し離れた劇場広場から全体像がようやく確認できるほどの大きさです。黒みがかった外観とは違い、聖堂内は真っ白というギャップが印象的。
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