日本酒よ、世界に羽ばたけ。フランスのソムリエが唸る美味いSAKE

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2019/08/17

「美食の国」としても名高いフランス。首都パリを中心に、今やフランスはすっかり日本食ブーム。2013年にユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されて以降、その人気はさらに高まりを見せています。

日本貿易振興機構(JETRO)の統計によると、フランスのパリ市内の外食レストランの店舗数を料理ジャンル別にみると、フランス料理、イタリア料理に続き、なんと日本料理は3位に登りつめています。

image by:Elena Dijour / Shutterstock.com

また、従来は寿司・天ぷらなど伝統的な和食のみが日本食として認知されていましたが、近年は大きく変化。以前、「世界で愛される和食文化。フランスで独自進化した「ニュー焼き鳥」とは」という記事をご紹介しましたが、焼き鳥のほかにも餃子、おむすび、ラーメンなど、より庶民向けで親しみやすい和食たちが、フランス人の間でも親しまれるようになりました。

フランス食文化に大きな変化が起きている

実は、ここ10年の間にフランス料理界の環境は大きな変化を遂げました。近年、全世界的にヘルシー志向がうたわれるようになり、フランス料理においても、肉や魚、乳製品の量を減らし、野菜など素材を生かした料理へと変わっていったのです。

さらに、ヘルシー志向によって食材のみならず調理法にも変化が。備長炭を使った炭火焼きが当たり前になり、さらに酸味を生かす料理が増加傾向にあります。

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食文化の変化に伴い生まれた新しい日本食も

ヘルシー志向によって徐々に変化したフランスの食文化。その影響により、私たちにとってはなじみ深い和食向けの素材を取り入れたフランス料理が多く見られるようになりました。それに伴って、皿の盛り付けや調理法も日本化され、最近では、日本食から派生した新しいジャンルの日系料理「Nikkei料理」がSNSを中心にフランスで認知されつつあります。

本場フランスでは「フランス料理×日本酒」のマリアージュが定番に

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この日本食の人気は食事メニューのみならずドリンク、とりわけ日本酒においても顕著に見られます。近年、パリをはじめフランスにあるフレンチレストランでは、ソムリエがワインではなく日本酒をペアリングして提供する機会が急増しているそう。

日本酒が持つ繊細な味わいと風味がフランス料理に絶妙にマッチすることに加え、日本酒は開栓後も劣化させずに保存しやすく、グラスで提供がしやすいという店側の利点もあるようです。


今やソムリエはワイン専門家だけを指す言葉ではない

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ソムリエというと本来はワイン専門のスペシャリストを指します。しかし近年は、ソムリエという言葉がワインの分野を超えて日本酒の分野にまで広がりつつあるのです。


フランス料理では、食前にはシャンパーニュ、魚料理に白ワイン、肉料理に赤ワイン、というように食事メニューに合わせたワインのマリアージュが有名です。これを日本酒にも応用し、食中のアクセントになる特徴的な料理に純米酒を、食後のデザートにほのかな甘さを感じさせる濁り酒を、という具合に、新しい日本酒の楽しみ方が提案されているのです。

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