安さを超えた魅力がある。のんびり「深夜高速バス旅」のススメ
ごく普通の店で主人の話をのんびり聴く。そういう旅が好き
──そしてこの新刊では、旅先で出会った、さまざまなお店を取材されていますね。昼営業のスナック、71歳のおじいさんが営むハンバーガーのキッチンカー、廃バスを再利用したラーメン店など、令和の新刊とは思えないシブい場所がずらりと。
スズキナオ
「ご高齢の方が営業していたり、取材を受けた経験がなかったりするお店ばかりで。お店の方からも『え!うちを取材するの?なんで?』って驚かれるくらいですから。グルメガイドに載る有名店ではなく、街の片隅にたたずむ、ごく普通の料理屋さんの暖簾をくぐって、店主さんの話をのんびりと聴く。そういう旅が好きなんです」
──紹介されているどのお店も地味すぎるほど素朴な店構えで、それゆえに地元民でないと入るのに躊躇してしまう気がしました。もしも自分が旅先でこういう飾り気がないお店に出くわしたら、果たして入れるだろうかと。
スズキナオ
「なかには一見『営業しているのかどうか、わからない』ほど街に溶け込んだ飲食店もあります。けれども、勇気を出して入ってみると、思いもよらぬおいしいものが食べられる場合が多いんです。それに、あんまり混んでいないから、ビールを飲みながら、だら~んとした時間が過ごせますしね」
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