都心で空を望む天然温泉。海外も注目する大手町温泉へ週末旅
新型コロナウイルスの影響で、いままで通りの旅ができなくなった現在。旅のトレンドは、密を避けながら地元の方が近場で過ごす旅のスタイル「マイクロツーリズム」へ変化し、各都道府県では地元の温泉やリゾートに出かける動きが目立っています。
リゾートがいっぱいの沖縄や、リゾートも温泉もある北海道が羨ましい!というそこのあなた、いやいや東京にも誰もが憧れる素晴らしい逃避先があることをお忘れでしょうか。
それは、「星のや東京」。天然温泉「大手町温泉」のあるこの宿は、先日、アメリカのメジャー旅行誌『トラベル・アンド・レジャー』の「World’s Best Awards 2020 Top Hotels in Tokyo」でも1位に選出。海外からもそのクオリティに注目が集まる東京の宿なのです。
江戸の粋と美の世界へ。大手町で体験する江戸トリップ
大手町駅から徒歩3分、東京駅から10分。オフィスビルが建ち並ぶ一角に佇む瀟洒(しょうしゃ)なこの建物が、地下2階、地上17階からなる“塔の日本旅館”「星のや東京」です。
ゲストを迎え入れるのは、青森ヒバの一枚板でできた大きな扉。扉が開くと鼻腔をくすぐる白檀の香りとともに、「星のや東京」が提案する独特の“江戸を感じる空間”での旅がスタートします。
館内はすべて畳敷きで、美しく敷き詰められた畳の長廊下を眺めながら、玄関で靴を脱ぐスタイルです。天井まで壁に施された圧巻の竹細工は靴箱だというのだから、その気の利いた発想になるほどと頷きます。
そのままエレベーターに乗り客室階へ降り立つと、そこはまた完璧な旅館の佇まいで、再度この地が大手町であることにはてと首を傾げたくなるのです。
客室は、畳に障子窓という典型的な日本家屋の造りをベースに、シンプルに現代的な機能美を追求した和モダンな空間。
陽が差し込むと、麻の葉崩しを抜き型にした光の文様が障子窓やフロアに浮かび上がるようデザインされているのは、心憎いとしかいいようがありません。
1フロアに6室のみというミニマムな配置と、各フロアに置かれた“お茶の間ラウンジ”と呼ばれるリビングルームの存在がまた新鮮です。
ここはゲストたちが共同で利用するくつろぎのスペースで、飲み物やお茶菓子が用意されています。
PCや本を持ち込んでひとりで過ごすのもアリだし、ゆったりとした空間で距離を保ちながら、居合わせたほかのゲストと会話が生まれることも。まるで、旅館の逗留客のようにレジデンス気分で過ごすことができるスペースです。