新潟県民は美しい「花」を食べる?年末年始に食べたい、おもしろ県民フード

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2020/12/30

エイの干物/山形県

エイの煮物 image by:Tobosha, Public domain, via Wikimedia Commons

次は日本海側の山形県のおせち料理を紹介します。『新版山形県大百科事典』(山形新聞、山形放送)で山形県の「郷土料理」を調べると、「からかいの煮物」という言葉が載っています。

この「からかいの煮物」は、現地ではおせち料理にも出てくるメニューなのだとか。

「からかい」とは何でしょうか。ちょっと不思議な響きを持つ言葉ですが、

<内陸地方のハレ食には欠かせない。一晩流れ水につけてもどし、柔らかくなるまで水煮し、酒・醤油・砂糖で甘辛く煮上げる。>(山形新聞、山形放送『新版山形県大百科事典』より引用)

とあります。山形県でも主に内陸地方で食べられる郷土料理で、何やら調理法を見ると、水で戻す必要があるみたいですね。一晩かけて戻す作業を考えると、干物か何かでしょうか。

この「からかい」、山形市観光協会や山形市によると、「エイの干物」だといいます。

エイとは、まさに水族館で見かけるあのエイですね。山形は最上川が流れ込む酒田など大きな漁港もありますが、新庄盆地、山形盆地、米沢盆地など、内陸部でも人の暮らしが営まれています。

image by:Shutterstock.com

こうした内陸地では新鮮な魚が食べられなかったため、古くからエイの干物を食べて、たんぱく質を摂取してきたのですね。

正月や祭りなど人が大勢集まる場面では、大きな鍋でいっぱい調理して振る舞われるみたいですから、地元の人からすれば、なじみ深いふるさとの味だといえます。

気になる食感は、こりこりした歯触りが楽しめるといいます。焼き鳥の軟骨が好きな人には、親しみやすい食材かもしれません。


ちなみにこのエイとは、具体的には「ガンギエイ」というそう。

倉場富三郎『日本西部及び南部魚類図譜』(通称:グラバー図譜)によれば、北海道以南から中国沿岸にかけて暮らしている、全長が79cmにも達するエイです。

しかもこのエイ、山形県のみならず、北海道、秋田県、北陸地方など同じ日本海側で盛んに食べられてきたようです。エイを食べたことのない人からすると驚くかもしれませんが、意外に日本人に親しまれてきた海の恵みみたいですね。

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