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1689年創業の由緒あるマルト醤油が「泊まれる醤油蔵」として復活した理由

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2021/02/06

近年、泊まれる本屋や映画館など、泊まれる○○といった宿泊施設がさまざま登場しています。そのなかでも気になるのが、奈良県にある田原本町にある、“泊まれる醤油蔵” と謳った古民家ホテル「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」。

今回は、泊まるだけでタイムスリップ気分が味わえるその施設の魅力に迫ってみましょう。

由緒ある醤油蔵で、歴史のかおりを堪能する時間

mage by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

奈良県田原本町は、奈良盆地のほぼ中央に位置し、豊かな水と土壌に恵まれていることから、昔から農耕が営まれてきた古い土地です。

 

そんな田原本町にあるのが、奈良県最古の醤油の蔵元「マルト醤油」。1689(元禄2)年創業で、戦前は皇族に醤油を献上していた記録が残っているほど、由緒のある醤油蔵です。

このマルト醤油が、“泊まれる醤油蔵”として、古民家ホテル「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」を2020年8月29日に創業しました。

母屋 image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

実は物資不足が原因で70年程前にその歴史に幕を降ろしたマルト醤油。しかし2011年に再び醤油蔵に火が灯ることになり、閉業を決めた先代から孫へとその想いは受け継がれ、18代目当主の木村浩幸(きむら・ひろゆき)さんが蔵元の再興をかけて、70年ぶりに醤油の醸造を復活。

さらに築130~140年の醤油蔵を改修し、奈良の醸造文化を感じられる宿へと生まれ変わらせました。宿泊施設となっている醤油蔵は、“大和棟”と呼ばれ、奈良伝統建築様式がそのまま残るとても貴重なお屋敷なのです。

醸造の歴史に浸る滞在体験

1階が原材料庫、2階が醸造蔵人寝室です。image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

奈良県の古民家特有の建築工法・大和棟造りで建てられた母屋を中心とする屋敷内には、かつて住み込みで働いていた蔵人たちの生活を、至るところで感じられます。

当主が暮らしていた母屋、蔵人たちが寝泊まりしていた蔵、原材料庫など、元の姿を大きく変えずに客室やレストランとして再生。皇族をもてなすために作られた部屋などもそのまま残されており、当時の厳かな空気を感じ取ることができます。


また、母屋の隣にある醸造蔵では現在も醤油の醸造が行われているため、滞在中は醤油搾りの体験も可能です。泊まるだけでなく、醸造の文化にも浸ることができるのです。

当時から残る内装も。image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

全7室の客室は、かつての“醤油蔵元の使われ方”に着想を得て家具や装飾を施しており、古文書が保管されていた部屋は「府庫」、原材料を貯蔵していた蔵は「糀」「碓」など、部屋名にも醤油づくりや蔵の歴史に因んでいるユニークな名前を採用しています。

木藤 image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

木藤」は。代々木村家当主が住んでいた母屋の2階にある、窓から奈良らしい景色が一望できるスイートルーム。ベッドルームからは、南棟の美しい瓦屋根が一望できます。

image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

文書・財物を入れておく蔵である「府庫(ふこ)」。元々はマルト醤油の歴史に関する古文書をはじめ、当主である木村家に代々伝わる古文書を保管していた蔵ですが、快適な機能を充実させたリノベーションを加えながらも、当時の蔵の良さを感じられる部屋になっています。

image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

こちらは、部屋の横には初瀬街道が通る「初瀬」。昔は初瀬川(大和川)を利用し魚梁船(やなぶね)で醤油や酒等が出荷されていたんだとか。部屋のつくりから、その意味や歴史を感じますね。

image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

また客室以外の空間にも、蔵の創業当時から来客を見守る七福神の飾り瓦など、たくさんの「おもてなし」の心を発見することができます。

「春日灯篭」image by:NIPPONIA 田原本 マルト醤油

丁寧に手入れされた庭には「春日灯篭」や330年間祈りを捧げる社など、創業時と変わらない景色も残されています。

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