気になるあの子と初体験…外国人に聞いた「卒業」の思い出

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2021/03/03

王子や王女から卒業証書をもらう/タイ

image by:Jaem Prueangwet / Shutterstock.com

最後はアジアの卒業式。タイの友人によれば、まずタイの大学では卒業式のリハーサルがかなり念入りに行われるとの話です。

先ほどのロシアの「ラスト・ベル」の準備もなかなか大変なために、試験を控えている身としては、ちょっと付き合いきれないという態度を見せる人もいるようですが、タイの卒業式の準備はもっと大変。

なぜなら、タイの卒業式では、王族の誰かが各学校に回ってきて、卒業証書を一人ひとりに手渡すから。

日本人でいえば皇族に直接卒業証書を手渡されるわけですから、失礼があってはならないと、かなり念入りな練習が行われるのだとか。

image by:kan Sangtong / Shutterstock.com

そもそもタイの大学では春にカリキュラムが全て終わるものの、卒業式がすぐに来るとは限らないといいます。

王族が全卒業生に順番に卒業証書を授与するため、自分の母校の順番が回ってくるまで、卒業式を待たなければいけないのですね。

そのため、社会人になった人は職場に休みを取って、授与式のリハーサルに望みます。流れとしては、ステージに上がり、男女別々のマナーに従って、王族の前で振る舞わなければいけません。

タイでは大学卒業者が日本ほど多くないために、家族や親族にとっても、晴れ舞台だといいます。その関係者が見守るなかで、王族に証書を授与してもらうわけです。

当日は盛装して、人によってはカメラマンを雇って、晴れ舞台に望みます。大学の卒業式の重みが、日本と全く違うのですね。


image by:Natdanai Phunaha / Shutterstock.com

ちなみにいまから5年ほど前の2016年、タイのプミポン・アドゥンヤデート国王が亡くなったというニュースが流れました。このとき国自体が1年間の喪に服し、この期間にタイを訪れる旅行者にも、節度のある行動が求められました。

国民が国王の死を嘆き悲しむ姿を見て、当時は少し筆者としては不思議さを感じていましたが、こうした卒業式の証書授与など、国民と王室の接点が日常に設けられているからこそ、自然な形で国王が国民に慕われているのかもしれませんね。

卒業とは、学生時代の節目でもあります。

さまざまな外国人の「卒業の思い出」についてご紹介してきましたが、皆さんはどんな思い出がありますか?

今回の思い出エピソードを参考に、素敵な「大人になった日」を思い返してみてはいかがでしょうか。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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