サメ、クラゲだけじゃない。いろんな意味で危険な「泳いではいけないビーチ」5選

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2022/07/27

ムンバイのギルガオン・チャウパッティ/インド

image by:Manoej Paateel/Shutterstock.com

最後は、健康被害を考えると遊泳しない方がいいインドのビーチを紹介します。

インドに、ムンバイという街があります。もともとは「ボンベイ」と呼ばれ、商業・金融の中心地、映画の撮影などでも知られていました。インドの西岸にあり、アラビア海に面した大都市で、都市圏の人口は約2,365万人。

このムンバイにはいくつかのビーチがあり、ギルガオン・チャウパッティが特に有名です。リゾート地として海岸線が開発されている人気のビーチで、各種の飲食店や商業施設が立ち並び、にぎわいや夜のロマンティックなムードを求めて多くの人が集まります。

しかし、雰囲気を楽しむ分にはいいですが、水には入らない方がいいでしょう。

モンスーン時期(雨季)、さらに満潮が重なると、水難事故のリスクが高まると地元の観光局から情報が出ていますが、それ以上に海水が汚れているからですね。

コロナ禍の直前に訪れたという生粋のインド愛好家である知人に話を聞くと、昔よりはだいぶ奇麗になったとの話もありました。しかし、5年前と古いですが、2017年に実施された調査では、ギルガオン・チャウパッティの海水が「Polluted(汚染)」と判定されています。

その理由は、ムンバイのスラムから出る排水が処理されないまま川に流れ、十分に処理されない下水も併せて流れ込み、周辺の海水まで汚れてしまうからですね。

image by:RAMNIKLAL MODI/Shutterstock.com

もちろん、各方面の継続的な努力によって一部で若干の水質改善は見られます。

マハラシュトラ州環境汚染管理委員会(MBPC)の最新の水質モニタリングによると、ギルガオン・チャウパッティの海水は2022年の1月と2月の時点で、「Non Polluted(汚染はされていない)」に好転。


2021年における同地の海水の年間水質は、12カ月のうち「Polluted(汚染)」が5カ月、「Non Polluted(汚染はされていない)」が7カ月でした。

2020年は「Polluted(汚染)」が3カ月、「Non Polluted(汚染はされていない)」が8カ月、「Non Polluted(汚染はされていない)」でも「Good」が1カ月です。

上述した2017年は「Polluted(汚染)」が8カ月、「Non Polluted(汚染はされていない)」が4カ月でした。そう考えると、緩やかながら水質が改善方向に進んでいる様子が見て取れます。

しかし、「Non Polluted(汚染はされていない)」まで水質が改善されてきたといっても、現状では、「Polluted(汚染)」に近い「Non Polluted(汚染はされていない)」です。

地元の人はいざ知らず、清潔な環境で普段暮らしている日本人観光客の場合は海水浴を避け、海辺の雰囲気を楽しむにとどめた方が良さそうですね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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