輸血用の血液を持ち運ぶ、イギリス王家の「旅行の決まり」が異次元すぎる
エリザベス女王(エリザベス2世)の崩御をきっかけに、イギリス王室に興味を持った人も少なくないのではないでしょうか。
日本の皇室もそうですが、イギリスの王室にもいろいろなルールやしきたりがあって例えば、旅行するにしても独特の決まりがあるみたいです。
そこで今回は、イギリス王室で公式に、あるいは慣習的に守られている旅の作法を紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「王位継承者」は別々に旅行する
こちらは公的なしきたりではなく、リスクヘッジの観点から続いている工夫みたいですが、イギリス王室の王位継承者は同じ飛行機に乗って海外へ向かわないみたいです。要するに、別々に移動するのですね。
その理由は察しがつくはず。飛行機での事故やハイジャック、テロによる攻撃などの一大事が発生し、万が一にも、王位継承者が一度に亡くなってしまえば大問題だからですね。
もちろん特例もあります。かつてジョージ王子が2013年に生まれたあと、ウィリアム皇太子(当時は王子)は、オーストラリアとアメリカへの旅行に息子を帯同したいと当時の女王にお願いし、特例で認められたとの話。
しかし、通常ならウィリアム皇太子(王位継承順位1位)と、キャサリン皇太子妃の子どもであるジョージ王子(王位継承順位2位)、シャーロット王女(王位継承順位3位)、ルイ王子(王位継承順位4位)などが全員、一度に同じ飛行機で海外へ行かないという話ですね。王位継承順位は2023年3月9日時点です。
イギリス王室は民間機も使う
「王位継承者が別々に移動するとなれば、王室専用機は複数あるの?」と思った皆さん、実際はどうなのでしょうか。
アメリカ大統領の場合は専用機がありますし、日本の天皇皇后両陛下の場合は、政府専用機で移動するケースも、民間機のケースもあります。
イギリス王室の場合は、ヨーロッパ近国への往復に使用する王室専用機(ブリティッシュ・エアロスペース製)を保有していましたが現在は引退。
ヨーロッパ諸国を超える長距離の移動に関しては、「ブリティッシュエアウェイズ」「ヴァージンアトランティック」、「タイタンエアウェイズ」など、民間機をチャーターして移動するケースが一般的だそう。
とはいえイギリスでは、長距離移動も可能な専用機の導入に関して議論が何度も起きています。
そのたび、世論にたたかれる経緯を繰り返しています。7代前のトニーブレア元首相のときには、予算の無駄遣いだとメディアにたたかれました。
その後、5代前のデビッドキャメロン元首相は専用機導入の代わりに、既存の空軍機をVIP仕様に変えて、王室とイギリス政府が使用できる専用機とします。
その際、費用の配慮から空軍機そのままのグレーの外観にしておいたそう。しかし、3代前のボリスジョンソン元首相がイギリスっぽい外観のデザインに塗装し直します。
ただ、この塗装に1億円近い費用がかかったため、野党やメディアからまた「無駄遣いだ」との声がまた上がったみたいですね。