韓国で「トントントン」は使ったらヤバい?海外で誤解されかねない日本語たち
何気ない日本語が海外では、違った意味に聞こえてしまうケースを過去に取り上げてきました。その続編として今回も、ちょっと際どい意味に聞こえかねない日本語を紹介します。
雑貨(ざっか)/マレー語

最初は「雑貨」です。雑貨屋での買い物は楽しいですよね。海外でも一緒で、東南アジアなどで売られているエスニックな雑貨も魅力的です。
例えば、マレーシアを友だちと旅行していて、現地の雑貨屋を見つけたとしましょう。「雑貨、雑貨(あったよ)!」みたいな感じで、テンションが上がって人前で口にする可能性もあるはずです。
しかし、マレーシアでは、「雑貨」の言葉にちょっと注意が必要かもしれません。
日本語の「雑貨」はマレー語の「zakar」と発音が似ていて、『Cambridge Dictonary』によると、「zakar」の意味は「the male sexual organ in humans and many animals」と書かれています。
日本語にすれば、「男性の性器で人間、および動物にある」といった意味です。仮に、エスニックな雰囲気の雑貨店に、男性器を彷彿とさせるような形状の雑貨が置いてあった際、「雑貨!雑貨!」というと、もしかしたら誤解されるかもしれません。
手っ手(てって)/イタリア語

次は、子どもが使う言葉から。幼稚園や保育所に通う子ども、あるいは、小学校の低学年くらいの子どもであれば、親と手をつなぐ時に「手っ手(てって)」と口にすると思います。
逆に、子どもの手を握るときに「手っ手」と親の方からいう場合もあるはずです。しかし、この言葉、イタリアでは、異なる意味を持つ可能性があります。
イタリア語の「tette」は「乳房」を意味します。小さな子どもと親との会話ならいいかもしれませんが、若いカップル同士が、手をつなぎたいからと甘える感じで「手っ手」と求め合ったら、ちょっと勘違いされてしまうかもしれませんね。
恥ずかしがってじゃれあってしまえば、変な意味に余計に聞こえてしまうはずです。
まー、丸/スペイン語

旅行中は、暇つぶしの必要な瞬間が結構あります。飛行機の待ち時間だとか、出国手続きの順番待ちだとか、人気レストランの順番待ちだとか。
その暇つぶしのためにクイズを出すと仮定して、回答者からの惜しい答えに対して出題者が「うーん、まー、丸」と、悩んだ上で正解を認めたとしましょう。
その場が、スペイン語の通じる国だったら周りの人たちは、言葉の響きに内心、驚いているかもしれません。
「まー、丸」ではなくても、ちょっと発音が外れますが「まー、まー」と誰かをなだめる言葉でもいいです。
これらの言葉は、スペイン語の「mamar」の発音に似ています。小学館『西和中辞典』で「mamar」の意味を調べると、「母乳を飲む(吸う)」だとか「ちゅうちゅう吸う」といった意味が掲載されています。さらに俗語で、卑猥な意味も含まれています。
また、中央アメリカでは脅すような意味も持つみたいなので、なかなか際どい響きを持つ言葉になることも。あまりありえない設定だと思いますが、スペインでのクイズ遊びには要注意かもしれませんね。
トントントン/韓国語

次は、お隣の韓国で注意したい日本語です。ちょっと前に流行した、日野自動車のテレビコマーシャルを覚えていますか?「トントントントン、ヒノノニトン」というリズミカルな言葉が印象的なテレビコマーシャルです。
「三太郎」シリーズを手掛けた浜崎慎治監督の映像だけあって、ユニークな仕上がりになっていましたね。その映像をまねて、あるいは扉をたたく擬音語として「トントントン」と韓国ではいわない方がいいかもしれません。
「トントントン」は韓国語「똥똥똥(ttongttongttong)」の響きと極めて似ています。「똥」の意味は「うんこ」です。連呼するほどに「うんこ、うんこ、うんこ」に聞こえるのですね。
トイレの順番待ちで、どうしても我慢できなくなったら「トントントン」とノックに擬音語を被せてプレッシャーを与えてもいいのかもしれませんが。
爺(じじ)/フランス語

最後は、「手っ手」と同じく幼児語を紹介します。子どもが祖父に呼びかけるとき、「じじ」などといいますよね。「じじ」と呼ぶわが子に対して「じじが来たよ」などと保護者も口にすると思います。
しかし、フランスに祖父と一緒に出掛けた際には、「jiji」の「j」の音を強調していった方がいいかもしれません。その理由は「じじ」が、言い方によっては、フランス語の「zizi」に聞こえてしまう場合もあるからです。
フランス語「zizi」には、どのような意味があるのでしょうか。『プログレッシブ 仏和辞典』(小学館)で調べると、
<⸨話⸩ おちんちん>(『プログレッシブ 仏和辞典』より引用)
と書かれています。正確にいえば「じじ」は「jiji」の音で「zizi」ではないので、聞き間違いは生じないはずです。子音の音の違いには日本人以上に、現地の人の方が敏感だからです。
フランス旅行中には、祖父の呼び方をちょっと工夫した方がいいかもしれませんね。もちろんまだまだ、似たような日本語はたくさんあります。
外国語と日本語のおもしろさを理解しながら、その国で使う言葉についてより深く知っていくきっかけにしてみてくださいね。
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